グリップが接着が済んだら、次はガイドです。実はガイド・セレクト次第で、ブランクの特性を生かすも殺すもできるんですよ。それはガイドサイズしかり、ガイド取り付け間隔しかり・・です。
これは、僕が長年蓄積してきた各ロッドメーカーやブランクメーカーのガイド・スペーシング・チャートや完成品のロッドから拾ったガイド・スペーシング・チャートです。この中からロッドの長さ、番手、アクションなどから決めていきます。
代表的なスネークガイド各種です。メーカーは全てPacific Bay製です。左からBSNG(ハードクローム・黒塗り)、NSNG(ハードクローム・TiGold)、XSNG(ハードクローム)、XSFG(ハードクローム・シングルフット)です。黒塗りは、その雰囲気からバンブーロッドやグラスロッドに良く使います。ゴールドの物は単価も高いのでハイクオリティのロッド・ブランクに良く使います。好みで言うとグリーンのブランクにゴールド・ガイドなんていいですね。XSNGが最も普通のガイドです。シングルフット・ガイドは使い方に注意が必要です。強度的に劣るのですが、ラッピングが半分の1箇所で済むので全体的に見るとロッドの慣性質量を軽量に仕上げられます。それと、ガイドの接触する長さが短いので、ブランクの柔軟性を妨げません。逆に言うとブランクメーカーが、通常のダブルフットタイプのガイドを使うことを想定して指定した番手より柔らかく仕上がる可能性が高くなります。実際、4/5指定のパウエルのブランクにシングルフットで仕上げたら#5は過負荷になってしまい、#4専用になりました。まぁそれが狙いだったのですがね。
最近は、柔軟性や軽さを出す為に、細めのワイヤーを使ったガイドも出ています。
こちらはストリッピング・ガイドです。左からパーフェクション、中央(THG)と右(SHG)はPacific Bay製(Fujiのコピー品)です。ルアーロッドではラインとの摩擦が低ければ低いほどよいのと耐久性が問題になるのでSic素材のリングがいいとされていますが、フライロッドの場合はハードクロームでも十分です。僕の場合はハードアロイリングの物を使っていますがね。ただ、ストリッピング・ガイドにはこだわりがあって、トップからバットに向けてガイドのラッピング間隔が徐々に広くなってくるのが好きなので、メーカー製で多用されるFuji製のBNLG(写真の中央のガイドのオリジナル)タイプのものはシングルフット・スネークの時以外は使いません。ガイドフットの間隔が狭いからです。
以上のことからセレクトしたのがこれです。左側がトップ側になります。NSNG 2/0;2個、1/0;3個、1;2個、2;1個、3;1個、SHG8mm;1個の計10個です。フライロッドの場合、長さ(フィート)+1~2個というのがガイド数の目安ですただ、バンブーロッドやグラスファイバーですと多めのガイド数にすることが多いですね。逆に少ないと、ガイド間でフライラインが垂れ下がり、キャストに支障が出ます。安物のフライロッドに多く見受けられるので注意ですよ。
ガイドの口径はラインの番手で変わってきます。今回は#4なので2/0からスタートしましたが1/0から始めてもいいとは思います。ストリッピングガイドは8'6以下は一個、それ以上の長さの場合は2個使います。その場合8mm+10mm、10mm+12mmなどの組み合わせで使います。ガイド径は小さめにするとロッドへの「乗り」はいいのですが、シューティングで距離は出にくくなります。大きめにするとラインがブランクとの間で暴れ気味ですがシューティングしやすくなります。まぁ、何ごとも限度がありますけどね。
ガイドフットはダイヤモンドやすりで先端を削ります。あらかじめ荒削りしてある物もありますが、必ず裏表ともに仕上げ削りをします。ラッピング・スレッドが切れたり、ブランクが傷ついたりするので丁寧に行います。また、曲がりも直します。両方のフットが一直線上に無く「へ」の字状態になっていないか上から、横から見て確認してください。
トップセクションにトップガイドを接着します。スパイン出しをして「曲がりやすい柔らかい面」にガイドを付けます。トップガイドの接着は、ホットグルーや慣れている人ならエポキシ接着剤を使います。硬化後にトップガイドのリングから長さを量り、各ガイド位置に印をつけて行きます。
ガイド・スペーシング・チャートが「インチ表示」なので、インチスケールを使っています。指定の位置にダーマトグラフで白く見える印を付けます。トップ側からバット側にむけて順次印をつけたら完了です。
今回僕が使ったチャートですが・・・(数値はトップガイドから)
4、9、15、22、29 1/2,37 1/4,45 3/8,54 1/4,63 1/4,72 3/4
です。
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