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カテゴリ:テレビ・映画・ビデオ・観劇
三夜連続の NHKスペシャル「永田町・権力の興亡」を興味深く見た。
第一回目の、 「1993~1995“政権交代” 誕生と崩壊の舞台裏」は、 うっかりしていて後半しか見ていなかったので、 小沢一郎が自民党を離脱して政権交代を目指すことになった 一番のきっかけが何だったのか、ちょっとわからないままなのが気になる。 でも、その後の彼らの証言などを見ていると、 「国民が政権選択が可能な勢力作り」が、小沢一郎の究極の目的だったようだ。 その政治手法は、現在でも私がイメージする「自民党の手法そのもの」に見える。 でも、ずっと見ていると、 小沢一郎には「このような国にしたい」というような理念はあまりなさそうだが、 「二大政党で政権交代可能な国にしたい」という思いは、 終始一貫ぶれずに貫いているようで、 好き嫌いはともかくとして、これはこれで大したものだと思う。 何度も登場した野中広務は、 「自民党を軸とした政権を守ることが、国の安定の根本」と信じ、 それこそ、なりふり構わずという感じで時の首相を守り、 自民党の分裂を回避するために頑張ったようだ。 (しかしそのあとには、多分むなしさが渦巻いたであろう) 多くの政治家たちが、当時のことを回想したり証言しているのを見るのは、 ゲンナリすることも多かったが、面白かった。 「こんな人ことで首相になったり追い落とされたりするんだなあ」とか、 「権力維持や奪還のためには、『国民のため』なんて言葉は方便なんだな」とか、 今までもそのように感じてはいたが、あらためて証明された感じ。 それにしても、この番組は政権交代があったからこそ放映されたのだろうと思うと、 小沢一郎の執念のおかげかも。 しかし、この番組が今一つインパクトがないのは、 小泉純一郎の証言がなかったこと。 あの「小泉劇場」は何だったのか、やはりきちんと検証すべきだろう。 「自民党をぶっ壊す」と言った彼に、熱狂した国民は何を彼に託したのか。 そしてそれは、多くの国民の期待にこたえる面があったのかなかったのか。 今回の民主党の勝利は、「小泉劇場」とは質が違うのかどうかを考えるためにも、 そのあたりが知りたいと思う。 一人の国民として、民主党がどのような政策を実行していくのか、しっかりと見なくてはならないだろう。 そのためには、番組の最後に高村薫さんが言っていたように、 私たちが判断できるように、ちゃんとわかりやすく説明をしてもらわなくてはならない。 それが、小沢一郎氏が言っていた「自立した個人」としての判断の前提だからだ。 何年か後に、またNHKスペシャルで、 鳩山氏の「国民とともに」とか「国民のために」という言葉が、 むなしく響かないようにと祈る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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