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テーマ:読書(8230)
カテゴリ:読書
数日前、たまたまネットで下記の記事を見た。
13歳から43年間野宿していた「洞窟オジさん」はかつての住処でナニを食べていたのか?【極限メシ】2019年10月 えっ、そんな人がいたのかと記事を読んで、図書館で借りてきた。 洞窟オジさん (小学館文庫) (日本語) 文庫 – 2015/9/8加村 一馬 (著) 人生のほとんどを洞窟で過ごした男の物語 加村一馬、昭和21年8月31日生まれ。群馬県大間々町(現:さくら市)出身。68才。 昭和35年、当時13才だった少年は「両親から逃げたくて」愛犬シロを連れて家出した。以来、彼はたったひとりで誰にも知られることなく、足尾鉱山の洞窟、富士の樹海などの山野で暮らし、イノシシやシカ、ヘビにネズミ、コウモリ、野ウサギなどを食らい命をつないできた。発見された時、少年は57才になっていた-- 2004年5月に刊行され、大きな話題を呼んだ『洞窟オジさん 荒野の43年』(小社刊)。あれから11年、社会復帰を果たした「オジさん」は、群馬県の障害者支援施設に住み込みで働いていた。彼はなぜそこで生きることになったのか。そして、「自分のため」ではなく「他人のため」に生きる喜びを知った「オジさん」は何を語るのか。 トラブル続きの集団生活、「天使のような」女性との出会い、ブルーベリー栽培への挑戦、初めての入院生活…。12万字を越える加筆で奇跡の文庫化!! 【編集担当からのおすすめ情報】 43年もたったひとり荒野で生活していた加村さん。イノシシを仕留め、ヘビやカエルを捕まえ、命からがら熊の急襲から逃げ延びる…。真似しようのないサバイバル生活ですが、実際に加村さんに会って話した私には、彼が特別な人には思えませんでした。純粋で、照れ屋で、笑うと目尻が下がる可愛らしいオジさん。そんな彼がどうして、人を拒絶し、過酷な生活を送り、時に自死を考えなければならなかったのか。“洞窟"側からずっと私たちの社会を見てきた加村さんの言葉には、私たちが考えるのを止めてしまった「矛盾」や、当たり前になりすぎて感じることができなくなってしまった「幸せ」に気づかせてくれます。NHK BSプレミアム『洞窟おじさん』原作本。 テレビドラマ化されていたと知り、そういえばドラマの予告編を見たような気もするが、その時はさほどの関心を抱かずにスルーしていた。 この本は、児童書のカテゴリーに入るのだろう。とても読みやすくて一日で読んだ。 親の虐待から逃れて家出し、足尾銅山の廃坑の洞窟に隠れ住むことから始まり、43年間も一人で狩猟採集暮らしを続けた人が、この現代に存在したことにまず驚いた。 次に、人間のたくましさや底力も感じながら、 私達から見たら悲惨な生い立ちとその後の生活が続いていたのにも関わらず、 その人間性は壊れてはおらず、心は多少のトラウマや人への恐れはあったとしても、 とても健全のように感じた。 それは何でなのだろうと、色々と思いを巡らせながら読み終えた。 昨日は三島由紀夫の50年忌だったようで、その特集番組を二晩続けてみた。 三島由紀夫については個人的に思い出すこともあるので、彼の死については色々思うことがある。 昨夜は、「ところで三島由紀夫の生い立ちは?」と思い、ネットで改めて調べてみた。 学習院出だとは知っていたので、いいところのお坊ちゃんと勝手に思っていたのだが、そんな単純なものではなかったことに目から鱗。 私が想像するに、三島もまた精神的被虐待児だったと思われる。 彼の場合は、洞窟叔父さんとは違って心はとても屈折していて、ひょっとするとあの死は道連れ心中に近いんじゃないかとすら思わされた。 虐待による心の傷は残っていても歪まなかった加村さんと、心が複雑に絡まり捻じれてしまったような三島氏。 元々の気質の違いはあるだろうが、肉体的な虐待と精神的虐待の差も要因かもしれないと思っている。 そう考えると、今まであまり好印象を抱いていなかった三島氏が、とても可哀想に思えてきた。 それでもやはり、優秀な若い人をあのような形で巻き込まないで踏ん張ってほしかった。 その時期を乗り越えて老人になった三島氏の言葉や書いたものを読みたかったな。 話がそれたが、加村さんは現在障碍者施設の用務員として働いているようだ。 穏やかな日々を過ごされますように。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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