『人生、ここにあり!』
和光裏にあるシネスイッチ銀座で『人生、ここにあり!』を観てきました。映画を観るのは、昨年の12月以来。ちなみに前回もイタリア映画(笑)どうも、私の心のアンテナに引っかかる映画はアメリカのビックバジェットの映画では無いみたい。まあ、食わず嫌い的な部分もあるかなぁ。でも、そうした映画は必ずDVD化されるのに対して、『人生、ここにあり!』のような映画って見逃してしまうとDVDにもならないことってあるし、そんな時に「あ~観とけば良かった…」と激しく後悔することになるから。本当は木曜日、銀座で所用を済ませて観ようと思っていたのに、用事が終わってみると開始時刻を10分オーバー。夕方の上映だと、娘のお迎え時間に間に合わない…という訳で、金曜日に再チャレンジ。結果的にレディースデイでラッキーだったストーリーは精神障害を抱えた元患者たちが、薬でコントロールされた無気力な毎日から自立・自由になっていく話。リハビリのような仕事ではなく、自らの創造性を活かした寄木細工の仕事の成功とそこで得た給料で自分の部屋の家具を買い、洋服を買い、好きなことをする。一方自立すれば、当然自分で仕事やその他様々なことを考え、コントロールし仕事の納期も遵守しなければいけない訳で、今までの囲われて、薬を飲んで(飲まされて)ただ大人しくしていてくれればいいという生活からの激変ぶりと、元患者の喜びや葛藤、問題への対処方法が観ていて微笑ましくもあり、涙してしまう場面もあり。自由になるっていうことは、予期しない出会い"恋愛"ももちろんあってその苦しみ(衝撃?)に耐えられずジージョが自殺してしまう件はとても悲しい。「また次がある」なんて安易な慰めは意味がないのだろうな。邦題が"ここにあり"と付けられているように、今が全て、今自分が欲しているのは何か(それは物質的な意味でも精神的な意味でも)に敏感で忠実で、そして繊細。観に行って良かった。面白かったです。