破水から出産へ(その4)
子宮口が全開になった後は、いきんで良しお腹が硬く張ってくるのに合わせて短い呼吸を繰り返し、最後に思いっきりいきむ。助産師さんからは「おへそを見ていきんで。顔でいきまないように」と。出産が終わってから、妹(9月末が予定日)に「いきみたい感覚って分かるものなの?」そう聞かれたけど、波のように押し寄せてくる感覚ははっきり分かる。そして、その感覚は波のようにしばらくすると引いていく。不思議だったのは、そのいきみたい波が引いた後、凄く眠かったこと実際ウトウトして、少し眠ってました。その時間はほんの僅かしかないのに、その僅かな時間で急速な眠気が襲ってきてそしてこんな状態(出産のクライマックス)にも関わらず眠れてしまうことに驚き。お腹の張りに合わせていきむも、なかなか頭が見えてこない。。。時々助産師さんとお医者さんが診に来るも、頭が見えたり引っ込んだりしている状態。私はといえば、もうどれくらいの時間いきんでいるのか分からずけどお医者さんの言う「脚の間に何かが出てきているような感覚」も無いのでひたすらいきむ。エアコンが効いているのに汗びっしょりいきむ合間に母や妹が「何か飲む(食べる)?」と聞いてくるが飲む(食べる)より眠気の方が勝って、いきむ・ウトウトするの繰り返し。それでも結構な時間が経っているようで、母が「何か食べないと体力が持たないから」そう言ってチョコレートを口に入れてくれるけど、一粒食べるのがやっと。いきんでいる間、手ぶらでは全力でいきめないので、ベッドの隣の棚(テレビと冷蔵庫が置いてあった)を力一杯壁に押しつけていきんでました。妹は「壁に穴が開くんじゃ…」そう思うくらい強い力だったよう。子宮口が全開になれば、ほどなくして生まれるものなのかもしれないけど私の場合「うーん、恥骨に引っかかってるね」と、どうやら"たい子"も頑張るがなかなか出てこられない模様。そのうち、長時間いきんでいるので私自身の体力もそろそろ限界になり陣痛も弱くなってきて(私自身は陣痛の強弱は変わらないように感じたけれどお医者さんは「体力使ったから、弱くなってきちゃったな」と言ってました)。この時点で(いきみ始めて)約3時間。"たい子"も苦しいだろうと判断したお医者さんに「分娩室に移って、最後の一押しで促進剤を入れます」と言われました。陣痛室から目の前の分娩室へは歩いて移動。分娩台に乗り、確保していた点滴用の管に促進剤をセット。監視モニターも引き続き装着。促進剤って凄いですね。。。促進剤が体に入ってきたら、弱くなっていた陣痛が一気にパワーアップお腹がカチカチに硬く張り、いきもうとすると「まだ張りが弱いからいきんじゃ駄目」え~っ、これで弱いの?お医者さんがお腹に手を当て、硬く張ってくる様子を手で感じながら「まだ。まだ。まだ…はい、いきんで」「次で出すよ。いいね。まだ、まだ…はい、いきむ」私がいきむのと同時に、お医者さんがぐっとお腹を押すと、ボコッと何かが出てきた感覚が。出てきた瞬間、ホギャホギャと泣いてる…。病院に提出したバースプランで「生まれてくる瞬間を自分の目で見たい」と書いたので助産師さんが「ほら、ちゃんと目を開けて見て」と。それが40週4日私のお腹に居たみっちー("たい子")との本当の初対面でした。長く産道で頑張ったのか、ちょっとチアノーゼで青かったみっちー。けど、吸引してもらうとピンク色の肌に。分娩室に入ってからは、20分ほどで生まれました。家族はそれまで陣痛室で時間がかかっていたので、もっと時間がかかるだろうと予想していたらしく、生まれた瞬間待合室にいたのは妹だけだったらしい…(笑)私自身は感動よりも、ようやく終わった…という達成感(?)の方が強くて半ば放心状態。臍の緒がついたままのみっちーがお腹の上に乗せられ、自分でチョキンと切りましたみっちーが産湯につかり、体を綺麗にしてもらっている間、私は分娩台の上で胎盤を取り出し(自然に出てくるのを待つのかと思ったら、お医者さんが後陣痛に合わせてお腹をキュッと押すと出てきました)、最後のいきみの直前で切開した会陰を縫ってもらう。取り出した胎盤はみっちーの大きさ(3145グラム)からすると少し小さめらしくお医者さんからは「効率の良い胎盤だね」と褒められました(どんな褒められ方なのか…)しかし、あんな大きな(私から見れば十分大きかった)胎盤が子宮にくっついていたとは。会陰切開は、切られた瞬間は陣痛の痛みの方が強くて、ほとんど切られたことも分からないほど。出産が終わった後の縫合の方が痛いです(麻酔はしてくれるけど)ちなみに、溶ける糸で縫合してもらったので退院前の診察で抜糸はしてもらわなかったのだけど抜糸してもらった産婦さんは「全然違う!」と言ってました。私も抜糸してもらった方が良かったかな。一通り処置が終わると、2時間は安静にということで、再び歩いて陣痛室へ。陣痛室と分娩室の間の待合室では、家族がみっちーとの撮影会をしている最中でした。東京から既に彼も到着していたので、陣痛室では家族3人でしばらく過ごし形だけでも…と初めての母乳を飲ませてみる。それからみっちーは新生児室へ移動。病院は母子同室だったけど、生まれた時間が14時以降の場合は翌日から同室ということで一旦新生児室預かりに。こうして去年の12月12日に妊娠検査薬で妊娠が判って以来40週4日に渡る妊娠期間は終わりました。8月9日が予定日と聞いた時は、正直「長いな~」と思ったけれど、振り返ればあっという間の妊娠期間だったように思います。