一緒に歩こう

　また一週間が始まった。

　寒い校舎では頻繁にトイレに行く。
トイレの入り口で生徒が興奮気味に報告に来た
「先生、う○○(大)がどっさりはみ出している！」
「・・・
それは担任の先生に報告しなさい」
とさらりとかわしたつもり・・
こういう場合誰が掃除するんだろう・・と思いつつ。

　授業が始まった
と、その担任の先生が急いで私の傍に来た。
「先生、ちょっとお願いしていいですか」
「あ・・」
予感的中、小さなブラシを渡された
「すみません、授業があるんでお願いしていいですか」
「はい」
覚悟を決めて、個室に入る。
「う～ん」
　見事に外にはみ出している。
この小さなブラシではどうもなぁ・・
　トイレにあった長靴に履き替え、長く大きいデッキブラシを手にゴシゴシ擦った。
なぜかホースがないので、バケツに水を汲んで何度も何度も便器周辺を流す。
　こんな経験もするのね、これも仕事なのね、と思いつつ・・

　学校のトイレ掃除、
小学校や中学校の頃を思い出す。
　トイレ掃除って嫌いじゃなかったよな～私。

　頑固にこびりついている箇所もあるけれど、まぁまぁの出来。

　しばらくすると先生がやってきて
「あぁ、きれいになりましたね、ありがとうございます」
と本当にうれしそうに言って下さった。

　なんか、その一言がすごくうれしい。

　担任の先生のお役に立つ
それが私のここでの仕事