新里帰り② 男はつらいよ編
朝から何も食べていない発言で、天皇杯終了後に即座に夕食の準備に両親が取り掛かる。ふみをは一人息子なので何もせずで、普段読まない新聞等、活字がいっぱいあるので、それを読みながら準備完了を待つだけ。ここは実家ではあるけれどふみをの本当の実家ではないので、こちらは他人様でお客様なので仕方がないのだね。ということで30分ほどで手巻き寿司がコタツに並んだ。だいたい毎年、手巻き寿司が出てくる。生協大好きな母親が注文するらしい。何となく食べ終わると父親主導の時間が始まった。”男はつらいよ”映画第一作を見ると言い出した。特に興味がないので一通りの文句を言っておいた。寅さんが帰ってきてとにかくケンカをする意味が解からない。寅さんがすぐにヒロインに惚れる姿が恥ずかしくて見ていられない。子供心に寅さんは嫌な存在だった。あんなトラブルメーカーが親だったら、という視線なのかもしれない。地方で会ったら良い兄貴分なのかも知れない。結局、すべて鑑賞してしまい、しかも、面白かった、不覚。2作目、どこかで放送しないかなあ。わざわざレンタル等で見るまでではない気はする。夜は父親が持っていけ、と文庫本6冊を渡されてそれを読んで過ごす。父親とは本の趣味がまったく合わず。大雑把に分ければ父親は歴史小説、ふみをはSF、ミステリーだと父親は松本清張や森本誠一が棚に並んでいたけれど、ふみをは探偵小説が好きなので横溝正史や江戸川乱歩なんだよなあ。なのでその6冊の作家すべてを読んだことがない人たちなのだが、こちらもだいぶ大人になってきて受け入れて読むことが出来るようになってきた。山口瞳は名前だけ知っていたのだが、”酒呑みの自己弁護”というエッセイを読み始めたら面白かった。酒、将棋、競馬、野球とふみをの興味の薄い分野の話が多いのだけれど、面白いというとは文章力があるということなんだろう。ということで山口瞳にすぐに影響を受けて、年始のブログを頑張って書いているのである。一応、行き帰り用に”2001年宇宙の旅”アーサー・C・クラークは持ってきたのだが、2ページしか読まないという結果で、行きは景色、帰りは山口瞳と睡眠になった。1月2日の朝はもちろん箱根駅伝で始まる。8時半に起きると両親はとっくに朝食が終わっていた。お雑煮を出してもらって箱根駅伝テレビ観戦。まだ6区の後半で雰囲気は山下りで良かった。ふみをにも大学生時代があった。東京農大に通っていたのだが、知人には駅伝が強いところだね、とよく言われた。とくに親戚系知人には言われてしまっていた。ここ最近は予選会で脱落している模様でなかなかテレビでお目にかかれない。東京農大が箱根駅伝に出るとすぐに沿道で大根踊りをしている姿を映される。あの大根踊りはうろ覚えだけれど、入学したばかりのオリエンテーションでやらされた記憶がある。もしかしたら新入生の代表者がやらされただけかもしれないが。とにかく嫌だった記憶しかない。それが原因で中退した訳ではないけれど、親のお金で行かせてもらったのに中退して申し訳なかったけれど、肌の合わない大学だったのは間違いない。