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テーマ:楽天写真館(355749)
カテゴリ:中山道六十九次
中山道、前回空白域の塩名田から長久保まで埋めたので、これで全線繋がって、前々回の終点、護衛が足が痛く塩尻宿目前にして無念のリタイアした地点まで、特急「スーパーあずさ」を降りてからタクシーで向かった。 タクシーの運転手、リュックを背負って観光地でもなんでもない街道沿いのコンビニを行先に指定した我らを見て 「中山道かね、天気もいいし、山もきれいでいいねえ」と言う。 「熊は大丈夫でしょうかね」という私に 「僕もハンターしてるけどね、今年は山に栗や団栗が多いから大丈夫だよ」と言う。 ふーん、前回の瓜生峠で出たそうだけどね。 その会話を聞いてた夫、あわてて自分のリュックをごそごそ。 「今頃遅い!。熊ベルなら自宅秘書の私がちゃんと持ってきましたよ」 塩尻宿はこれと言って何もない宿場。 宿場を抜けると幾つかのワイナリーとブドウ畑を縫って歩く。信州ワインの桔梗が原を右手に見て方向を木曽の山間に取る。 そこから善光寺西街道との追分のある先馬宿、本山宿、「これより木曽路」の碑があって、いよいよ山深い木曽路の旅に入る。 山と山の間の谷を中央線と国道19号線、中山道、奈良井川が通っている。狭い谷の中なので何度も川を渡り、鉄道と交差し、国道と合流して歩く。 歩く地図を見ると、まるでその4本がさながら紐を三つ編みに編むように絡まっているのだ。 川は歩いて来た塩尻方面に流れて行く。 次の贄川宿まで18.4km。 実はこの区間宿は全くないのである。 バスはそれぞれの地域の地域振興バスが1日4、5本。それぞれの町か、村の運営なので、村はずれで折り返してしまう。 電車は木曽路を走る中央線。 もちろん小さい駅は特急は止まらない。ずっと先の木曽福島で止まった電車は次の停車駅塩尻まで止まらない。ようは特急は駄目なのである。 各駅は2時間に1本ぐらいの間隔だから、歩いていてその時間に最寄りの駅に到着していなければアウトである。 したがってその日の目標は何が何でも観光地で、宿のある奈良井宿まで行かなければならないのである。 念のため、保険を掛けるつもりでそれぞれの区間の地域振興バスとそれぞれの駅の普通電車の時刻をプリントアウトしてきた。 良くできた秘書である。 それ以前に奈良井まで歩き通すという設定が無理があるという事も有るのだが・・・。 贄川宿を通過するといよいよ谷は狭まり、奈良井の先の鳥居峠に向かって少しずつ少しずつ道は登って行く。 谷が狭いほど陽が早く山に隠れ、3時半には太陽が山肌に隠れた。 日没は近い。 贄川から奈良井まで7.3km 気持ちは焦るから自然と速足になる。 奈良井は以前アメリカ人のプイさんと来た他に2回ほど車で来ている。 谷が少し広くなった場所で奈良井の街並みに向かって橋を渡った。見知った風景がほっとさせる。 歴史街並み保存地区になっていて、街並みも昔のように再現されているから、ああ、宿場に入ったという江戸時代の旅人が味わった安堵感を味わうことが出来る。 http://www.naraijuku.com/narai/index.html 25.7km歩いて来て、足は痛いが、夕暮れになって、宿泊客以外の観光客が潮の引くように去った街の入り口に立つと、一般車が入れない路に並んだ軒の低い黒い建物群のところどころに柔らかい黄色い灯りが灯って疲れも吹っ飛び気持ちが高揚した。 そこかしこで店じまいをする、塗りものやさん、蔦の絡まる黒い木戸を持ったカフェ、お土産物屋さん、民藝店、木曽ヒノキのお箸やさん。 その合間に有る水場にも灯がともる。 思わず、まだ開いていた1軒のお焼き屋さんの前で匂いにつられて二人で胡桃お焼きを買ってほうばった。 宿場の中に何軒かある宿はすべて昔風の建物で、街並みに紛れ込んでいる。 私たちは予約が遅かったので、今日は民宿。でも外観は皆、街並みに溶け込んでいるから、民宿も旅館も外からはそう変わりないのである。 ガラガラと前かがみにくぐり戸を開けると、宿の黒い吹き抜けと、昔、税金逃れのために間口を狭くして、奥行きを深くしたうなぎの寝床のような通路が目に飛び込んできた。 1泊お世話になります。 旅人は草鞋を脱いで(靴?)荷物を解くのであった。 夕食は3,000円追加して、今年最後だという松茸づくし! すっかり民宿慣れした我らであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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