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カテゴリ:国内旅行
朝食をとってホテルに帰るとほぼ同時に赤いクラウンが迎えに来た。
ホテルの部屋備え付けのコンシェルジェスマホを携帯していざ奈良へ。 昔々、学生の頃良くリュックを背負って飛鳥を巡った。ある時、岡倉天心とフェノロサが見出した美しい仏像を見たくて、田舎道を歩いてその山寺を訪ねた。 暑い夏の日、ひとりの男性が戸の開いた狭いお堂で昼寝をしていた。私が十一面観音を見に来たと伝えると、彼は私を線香とカビの匂いのするお堂に招き入れてくれた。 お堂に座って見上げた仏様はそれはそれは美しかった。 我に返り拝観料はいくらかと聞いたウサギに「志で」と彼は答えた。 また再びの再会である。何十年の時を経て山寺は昔のままの田舎に有ったが、建物は古いお堂ではなく、古いけれど結構大きな建物で、本堂には子安延命菩薩が、国宝十一面観音は渡り階段を登った小さな観音堂の中に安置されていた。 男の人がお堂で昼寝をしていた記憶は夢だったのだろうか。 小高い丘の中腹の本堂から眺めると飛鳥の里の向こうに箸墓古墳や三輪山が見えた。 因みに裏山は小倉山。百人一首に読まれた京都の小倉山と違いこちらは万葉集に歌われている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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