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カテゴリ:散歩
「遠眼鏡で覗いた世界に行ってみたい」と冒険に出る。そんな物語はいっぱい有る。
「山のあなたの空遠く」の気持ちになったこともあるだろう。 いつもの住宅地の散歩をして、丘のはずれの眺めの良いところに行ってずっと遠くを眺めていたら、花咲く村が有って、山の急斜面に段々畑が有って、桃の花が咲いていた。 あそこに行ってみたいね。 どうやって行くんだろう。 ということである日丘を降りて老人2人水筒持っててくてく冒険に行ってみた。 最初に出会ったのは黄色い山吹 シダレサクラの咲く小さなお寺が有って、どんどん住宅や畑や農家の細道を谷戸の奥に登って行くと、どんぐりの木の茂る細道が山に登って行く。遠くで見た畑はきっとこの森を抜けた上にあるに違いない。 ちょっと暗くて細くて、二の足を踏むご隠居を無視してコナラの落ち葉で滑る坂道を登る。 菜の花と花桃が咲いて、リスが木々を渡る休耕田があって、コボコボコボと鳴く知らない鳥の声。 1番高いところ、小さな小さな畑に出た。麓の街も村も丘の住宅地も海も見える。 だけどなんだか我が丘の上の住宅地から眺めた風景ではない。木々の間から覗くと、もうひとつ向こうの開けたところに畑が有って、農作業している人がいて、多分小さな牧場と思われる牛舎が見えた。 でもコナラの深い森が立ちはだかっていて、道も無くあっちには行かれない。 山の彼方の空遠く であった。 登ってきた道を引き返す。 暗い木のトンネルの中で鳴き始めたばかりの練習中の鶯が鳴いていた。 「ほーけけけ....きょ、きょきょ...けきょけきょけきょけきょ〜」下手くそ。 酸欠状態になりそうな練習中の鶯であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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