カテゴリ:本
文春文庫 近藤医師の「何度でも言う がんとは決して闘うな」(2014年)を読んだ。 著者は、「患者よ、がんと闘うな」を書いた医師。 二番煎じの本かと思ったが、そうではなかった。 生い立ちから始まり、父親が医者なのだが注射が嫌いで医者になるのが嫌だっとある。 また、慶応病院の放射線科に勤めながら、司法試験を9年連続で受けて、 (一次試験は)7勝2負だっともある。 このような本を書くことになったのは、アメリカ留学中に知った乳房温存療法。 アメリカでは、1950年代は乳房全部切除が74%あったものが、 1981年には3%まで減ったのだが、日本では1985年時点で67%を占めていた。 医師を相手に情報を発信しているだけではダメだと考え、 世の中の女性に広く直接訴えて行くことにしたという。 慶応病院の勤務医の身分で書くと、病院内で村八分にされて孤立する。 そうと分かっていても、「勝手に乳房を切り取るのは外科医の犯罪行為ではないか」 と文藝春秋に発表した(この時も司法試験を受けていた)。 しかし、定年まで慶応病院に勤めた。 教授にはならなかった(なれなかった)が、居心地は悪くなかった。 そして、本は、逸見政孝アナウンサーのガン手術を徹底的に検証する、が続き、 逸見夫人との対談などがあり、手術や抗がん剤について、「闘うな」と書いている。 あとがきには、定年退職して一週間もたたないうちに、 慶応病院放射線治療科から「絶縁状」が届いたとある。 自由と平等、独立と自尊、という慶応大学の理念は、慶応病院にはなくなった、と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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