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私訳・源氏物語

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August 31, 2008
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 ところがお輿入れなさった姫宮は「げに、まだいと小さく、かたなりにおはするうちにも、いと、いはけなき気色して、ひたみちに若び給へり。」なるほど、女三宮はまだ御身体が本当にお小さく、女人というより子供っぽくて、しかもたいそう幼く頼りないご様子。藤壺の宮の面影どころか、心身ともに、ただただ幼くていらっしゃるのでした。

 源氏は「まあ、いいだろう。この程度なら、人に憎まれるような意地悪をすることもなかろう。」と思うのですが、また一方では「いとあまり、物の栄えなき御さまかな」こうして正妻としてお迎えしても、なんとまあ、たいした見栄えのしないご様子であることかと、期待していただけにがっかりもなさるのです。

 女宮はたいそう可憐で幼いご様子をしておいでで、仰々しく麗しい調度品とは相反したように、何心もなく頼りなく、お身体がお小さいのでお召し物の中にうずもれてしまうほどで、たおやかでなよなよとしていらっしゃいます。特に恥ずかしがることなどもなさらず、まるで人見知りしない幼児のような感じがするので、子供と思って見れば反って気が置けず、かわいらしくお感じになるのでした。

 源氏は、朱雀院は何事にも秀でていらっしゃるのに、どうしてこうもぼんやりした女性に育てたのだろう、「たいそうご秘蔵にしていらっしゃる姫宮」であるとうかがっていたものを、と内心残念に思われるのですが、しかしまんざらでもないようなのです。






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最終更新日  March 9, 2017 08:12:26 PM
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