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私訳・源氏物語

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August 8, 2021
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 深夜番組だったがつい引き込まれてみてしまった。

アメリカ陸軍の准将・トーマス・ファレルの記録と、英国のインタビューに対する日本の外交官、官僚トップ、それに昭和天皇側近で内大臣の3人のコメントがとても興味深かった。

 1945年当時の日本政府は、アメリカが原爆の開発をしていることを知っていたという。しかし非常に楽観的で、官僚トップは「投下前に警告があると考えていた」と言い、天皇の側近は「アメリカのような国が、あんなに無慈悲な兵器を使うとは思わなかった」と平然と語り、私はその無責任さにあ然としてしまった。

パールハーバーで奇襲攻撃をかけるような卑怯な開戦をしておきながら、警告なしで原爆を落とされると一転して被害者然とした言い方をするのは恥の上塗りではないだろうか。本当の被害者は両国の国民なのだから。

ところで原爆実験は、ポツダムで米・英・ソが会談した時にはすでに成功していたという。それを知らない日本政府は無条件降伏の提案(ポツダム宣言)を無視したために、広島に一発目が投下されたのだそうだ。そんな危機的状況なのに日本政府は思考停止状態で、特に陸軍はトルーマンの原爆投下発表を信じなかったらしい。これも実に恥じるべき事実だと思う。
   政府は外交官を通じて「敵国でない大国」であるソ連に終戦の仲裁を期待したが、ポツダムですでに参戦していた事実を知らず「しばらく様子をみよう(内閣書記官談)」と、これまた「黙殺した」という。アメリカはそんな日本の「黙殺」に苛立ち、二発目の原爆を長崎に落としたという。これでも日本が降伏しなければ、三発目は「東京の皇居に落とそう」「いやいや、そうなれば誰が和平交渉をするんだ?」との冗談まで言うのを聞いて、私はしみじみ情けなくなった。

 さらに英国の「原爆投下はしかたがなかったのか?」との質問に対して、日本の官僚、外交官、天皇側近の誰もが口をそろえて、「ソ連の参戦と原爆投下がなかったら、戦は長引いただろう」あるいは「原爆がなければ815日に戦争は終わらなかったと思う」と証言していたことにも驚いた。

 これも結果論でしかないが、ポツダムでの無条件降伏を早期に受諾していれば、あるいはもっと早くイタリア(1943年)やドイツ(1945年5月)に続いて降伏していれば、広島や長崎の原爆投下は避けられたのではなかったか。つまるところ原爆は、軍国主義の大過はもちろんのこと、天皇や日本政府の決断力のなさ、ワールドワイドなリーダーシップの欠如の結果ではなかったかと、この番組を見て私は感じた。

 番組の最後で「原爆で失われた命に対しての言及はなかった」とのアナウンスに、日本の為政者たちの現実感のなさに対しても、やるせない気持ちになった。

 ★

 翻って上記を今のコロナ禍にシフトしてみると、「不要な外出の自粛」や「飲酒は8時まで」などの要請スローガンが、敗戦迫って打つ手なしの苦し紛れに強要された「欲しがりません。勝つまでは」と同質に思えて、不愉快になるのだ。重篤になるシニア世代が接種をすませているから(大丈夫)と開催されたオリンピックも、日ごとに感染者が増え続けている現状では、不足するワクチンのために国民、とくに若者が犠牲になっているように思えてならない。これもまた戦争に狩りだされた若者たちと重なってしまうのだ。

「ソ連は自分の事しか考えていない」と誰かが言っていたが、本土決戦や玉砕を主張していた日本陸軍は、自分の国の惨事さえ考慮していなかったことになるではないか、他国を非難する前に自国民に対して配慮するべきだろう。

 閉会式を迎えるオリンピックを今更非難するわけではないが、少なくとも米国なみに国民へのワクチン投与を済ませて感染対策をしたうえで開催するべきではなかっただろうか。
 それにしてもワクチン接種は、どこまで進んでいるのだろう。






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最終更新日  August 8, 2021 12:46:56 PM
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