しょぼい・・・らすかぶ日記

今年もヒコーキに乗ってホクリヨウの株主総会に行ってきました。



前日に札幌に到着してドーミーインで優待を消化しています。というか、セントレアからでは始発便で新千歳空港に向かっての総会往復ができません。
そして総会当日。会場は札幌コンベンションセンター2階の小ホールです。



10時開会で7割くらいの席が埋まってその後もちょこちょこ来られていたので、最終的には80人を超える株主が座っていたように見えました。

社長挨拶、監査報告につづき事業報告はスクリーンを使いつつ専務が口頭で説明。鶏卵の現状に関する報告を議長である社長が説明されていました。そこでのコメントを覚えている範囲で拾っておきます。

「昨年の地震は大きな影響は受けなかった。本州での生産者の意欲が増えて卵価が急落、新年の初値が100円（15年ぶり）でスタート。2018年4Qは予想を下回る決算だった。飼料価格もジリ上げで前期の同業他社もほぼ赤字だったであろう。自主的に生産調整がはいったところもあり、2月からヒナが減少しているので秋からその減羽の影響が出てくると思っている。一方、PG卵などのブランド卵の売れ行きで助かった部分もある。（約8億の下支え）

東北強化で宮城に進出して南東北が視野に入った。設備の更新に4〜5年かかるけど倍の50万羽の体制ができる。宮城で個数が増える分の売り上げ増、卵価は横ばいで見込んでいる。岩手のはまなすは工事が9割終わり、道内と変わらない成績になった。アニマル・ウェルフェアという平飼い卵の販売を始めたが、6個400円だけど安定的に買われているので宮城でも生産するつもりです。」

こんな感じでした。質疑応答は思っていたよりも挙手が多かったと記憶しています。メモ書きと覚えている範囲で文字に起こしておきます。回答は全て議長でもある社長がおこなっています。自分も質問していますが、記載の順番はいくらか前後しているかもしれません。

株主：関東進出について、業務用では出回っていると聞いたけどどんな感じ。飼料価格の動向についてはどうなっている。
回答：宮城につくった吉目木農場の鶏舎が古いのでまずはそれを更新する。宮城からは巡り巡って小売に一部は関東に出回っているけど、関東への参入は農場を取得することになるけどまだ先のこと。
米中摩擦によって大豆の関税があがることにより（アルゼンチン）他国から輸入することになるか詳しくはわからないけど、トレンドとして急に下落することはなくて少しずつあがっていくだろう。それよりも卵価を保っていくことにつとめる。

株主：PG卵を食べたけど苦かった。ほんとうにおいしいのか。2問目はよく聞き取れなかったので割愛。
回答：味覚が鋭いですね。PG卵に使っているエサに苦い感じのする要素があり、ビールでいうキレみたいなものと捉えている。いろんな味の中でPG卵の特徴がありまして、苦く感じたのは初めて聞いた、すみませんと苦笑い。

株主：株主向け工場見学会や卵の試食会をやってほしい。取締役1名増えたけど、この事業規模で9人とか多すぎないか。

回答：難しいところがあって、事前に参加人数がわからないと現地までの移動手段の兼ね合いもある。サイトにて5人以上で募集をかけているのでそれに応募して欲しい。
役員の人数は多いように見えるけど、これからの展開を考えた時に商社出身の方を入れることにしました。

株主：M＆Aをやって財務が悪化することはないのか。海外進出は考えていますか。」
回答：買収後の収支を検討しながら進めていくけど、失敗したM＆Aも見かけているので卵価の低い今は無理なM＆Aはしません。ただ、宮城の時は数年前から進めてきた件です。長いスパンが必要だけど段階を踏んでいきます。
関東に進出して経験を積んでから海外になるけど、輸出でなくて現地生産になるでしょう。その時には優秀な人材が必要になります。

株主：女性役員いないけど。社外からは採用しないのか。工場見学は人数を絞って定員制をかければいいのでは、議決権行使書の中にハガキを入れている企業もある。
回答：男女のこだわりはないけど、現状はそういう方がいないとご理解をいただきたい。実は採用が大変で採用してもすぐにやめられる方もいる。ウェルカム状態で受け入れている。工場見学の件は貴重なご意見として受け止めておきます。

株主：昨年の地震の影響について、速やかに復旧すべく・・・の記載があるので実際の被害があったのか。また、停電による現場の影響はどの程度あったのか。
回答：鶏舎は地震を受けても大丈夫だったけど、ケージが3棟倒壊して2棟まで直した。残りも直していて補助金と保険がおりている、費用2000万。停電になるとエサやりがとまり排卵が止まる。真っ暗になったので非常用電源で明るくできるようにして、エサやりもできるようにした。しかしパッキング工場は過大すぎて簡単にできない。本州からの送電も増えて大停電はなくなるであろうと思いたいけど、できることはやっていく。

株主；シェア拡大の方針は？（道内）
回答：北海道のシェアは50％あるけど、これ以上は増やさない。人口減少が見えていてこれ以上卵を増やすと卵価が下がるくらいなら本州でシェアを増やしたほうが得策ですし、その先には海外も入っていくでしょう。

聞き取りにくい質問は割愛しましたが、こんなやりとりが行われて議案は全て了承可決されまして、10時58分に閉会となりました。

感想ですが、徐々に南下していくやり方に将来に向けて手堅くやっているとみるか、リスクを取らなくてつまらないとみるかの2択に思います。個人的には卵価がここからさらに下げてもやしのような価格破壊にならなければいいと思っている認識ですので、秋からの鶏卵価格の推移を見守ろうと思います。

それから株主向け工場見学会は会場で希望される方の挙手をしてもらったら30人くらい挙手があってびっくりされていたので、来年は見学会を準備してくれるかもしれない淡い希望が持てたのが違った意味での収穫でした。（謎）

お土産は上場以来ずっと同じの燻製たまご。製造元の豊橋からこちらに運ばれて、それを名古屋に持ち帰る長距離運送業と化しています。（謎）