カテゴリ:愛鋏 植木鋏
キリバシ
きりはしは、金切はさみ等の呼称に現在でも切箸と呼んでいる。これは、箸状の先端にX刃が付いている形状をいう。「和漢三才図会」百工具によるとカナハシの語源が出てくる。形からは、指輪の無い正倉院の金銅剪子に通じる形状であることがわかる。キリバシの使い方は、通常の手入れにも使われる。慣れるまでわらび手・指輪が無い分作業効率は劣るが慣れると通常に使うことが出来る。また、鉢回りの削り取りや掘り取り、根巻の縄通し、竹垣の雨直し(竹材建て子の立て入れ調整)、クリ針挿入時の目抜き、棕櫚縄切断にも使う万能鋏。 画像 京都大隈安広製25年前のキリバシ その当時の店舗、女将さんの後ろ姿が見える。新門出版社鋏読本1987年より 根切り鋏がこのように便利な道具が何故関東では、なぜ普及しなかったのか。何よりも、地質に関係しているという。京都の土質は、花崗岩質なのでジャリジャリして掘りにくい。一方、関東は、関東ローム層で土の団粒構造が均一で掘りやすいので京都で普及していたという解説。この解説は、雑誌「庭」の受け売り、いずれにしろ多汎用の万能鋏であることには変わりない。 きりはしの語源は、箸の語源に近いと「鋏」の著者、岡本氏説。元々「箸」は、現在のようにバラバラな二本の棒状ではなかった。それは、一本の竹や棒を細く削りV字型をしたピンセットのような形状だといわれている。その形状が「切る・箸」→きりはしになったのだといわれている。つまり鋏には、U字型とX字型の二つの他にV字型が存在することになる。このV字型こそが鋏の原型ではないかと説かれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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さとちゃんさん
>最近、ハシをタコが出来るまで触らせて頂いています。 > きりばし の意味が掴めそうで、来月位にオヤッサンに作ってもらおうつもりです。 ----- ここだったんですね。べしょうさんの記事にもキリバシが出ていますよね。明らかにいけばなの鋏の影響ですよ。万能鋏でカッコいいんだと思います。 (2012年07月04日 17時46分55秒) |
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