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テーマ:今日の出来事(287536)
カテゴリ:暮らしというもの
お魚好きなので、やっぱりちょっと心配。 特に、銀ムツとか赤魚とか、底物も良く食べるので、 もしトリチウムというものが海水よりも重くて海底に沈殿するようであれば、とっても不安だと思って。 早速検索したところ、面白い記事をみつけた。 海洋におけるトリチウムの動態と海生生物への蓄積(海生研ニュースNo.155解説) (kaiseiken.or.jp) 海水中のトリチウム トリチウムは水素の同位元素であり,半減期が12.3 年の放射性核種ですが,宇宙線が大気圏内で起こす核 反応で生成するため,太古より地球上に常に一定量存 在しています。また1945年以来の2000回以上の核実 験によっても生成して,1960年代には地球上の濃度レ ベルが核実験前の100倍に増加したこともありました。 酸素と結合して水分子となり,大気中の水蒸気→降水 →地下水→河川水→海水→大気中水蒸気のように地球 環境を循環しています。 トリチウムの生物への蓄積 トリチウム原子は水素として化学反応を起こすので, 海水から水として,また有機物に化合した水素として生 物体内に摂取された場合,その後の生理・生化学的な 振舞いに関心が向けられます。放射性核種が人体に与 える影響の強さは,発する放射線の種類や半減期の長 さと共に,体内に入ってからの分布や蓄積,排泄速度 など,元素による生理・生化学的性質の違いを反映し て異なるため,動物実験などの研究結果を評価し,そ の危険度をICRPという国際機関が線量係数という数 値で勧告しています。トリチウムの線量係数は137Csの 1000分の1と小さいため,環境中の濃度を管理する基 準や放出可能な限度量が137Csなどよりも大きく設定さ れています。 生物への濃縮があるのかないのか,観測や計画実験 が長年行われてきましたが,IAEAが行ったプロジェク トから導かれた統一的であり最終的ともいえる報告を 紹介します。核反応により冷却水にトリチウムが多く生 成するCANDU型原子炉を開発したカナダには, 1950年代から廃棄物の埋設地から長期間トリチウムが 流れ込み,濃度レベルが高い平衡状態にある湖があり ます。その湖を自然界にある水槽のように見立てて, 水生生物のトリチウム取り込みについて観測データが 得られました。2003年の湖水,水生生物のトリチウム 濃 度 を観測した 結 果 ,湖 水 の 濃 度 は 4,000〜 5,000Bq/Lで高く保たれ,水生生物の体内水の濃度も, 採取された場所の湖水濃度とほぼ同じでした。また体 内の有機物のトリチウム濃度は体内水の濃度と同レベ ルで濃縮はありませんでした(IAEA, 2008)。 図1に示された海域での調査結果では,沿岸にある 原子力施設からの放出によって,海水中のトリチウム濃 度が一時的に上昇するが,海洋の底質や海生生物の体 内の有機物濃度は海水濃度より高くなく,濃縮係数は 1,すなわちトリチウムは海生生物には濃縮されていな いと結論されています。しかし,ある特定の海域の河 口付近では,海水濃度は10Bq/Lまでのレベルなのに, 底質の有機物や微生物中の濃度が高く,体内の有機物 濃度が最大1.2×105 Bq / kgの底生魚が観測された 時期もありました。 水としてではなく,特定の目的 で生理・生化学的に生体中に取り込まれ易い化学形 に合成された有機化合物となった場合は,生物濃縮が 起こります。今では放出が管理され濃度は下がってい るとのことですが,警告事象として受け止めなければ ならない例でしょう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.08.16 18:46:48
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