フィリップ・マイヤー教授の「消えゆく新聞」は現実??
Gartnerグループが3月25日に、新聞社は部数の減少やオンライン・オフラインの売り上げ減、デジタルメディアとの競合などの課題を抱えているが、最大の支持者である読者のソーシャルな影響力を活用できていないと指摘してた。 この調査は2008年11~12月に、米国、英国、イタリアのインターネットユーザー989人を対象に行われた結果。・新聞社は自社サイト内検索を最適化していない。・コンテンツにソーシャル機能を統合していないなど、読者がコンテンツを発見し、共有したり、他人に勧めるためのツールを提供していないことが分かったという。読者だけでなく、最大の収入源である広告までも紙媒体からネットの電子版に徐々に移行しており、金融危機による景気減速が重なって米国では、地方の広告市場に複数の新聞を支える余裕がなくなって来ているそうだ。ロサンゼルス・タイムズ紙などを発行する「トリビューン」、フィラデルフィア・インクワイアラーなどを発行する「フィラデルフィア・ニュースペーパーズ」、米東部を中心に20紙を発行するジャーナル・レジスターなどが、これまでに日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請した。 「消えゆく新聞」の著者、フィリップ・マイヤー・ノースカロライナ大教授によると、地方紙でもリトル・リーグの成績などが載るような地域密着型のコミュニティー・ペーパーは苦しい中でも健闘しているという。地域の話題であろうが、外交であろうが「より絞った読者層に向けた記事は広告主の関心をひく。これまではすべての読者を満足させる万能サイズ型の新聞で良かったが、情報化が進んだ現在は特色のある、より深い情報が求められている」と分析している。日本でも新聞発行数は徐々に減っており、一頃は帰宅時にビジネスマンに人気がタブロイド版の夕刊紙もかなり発行部数が減っている。新聞協会の資料によると一昨年には遂にセット販売数(配達契約)は1.0を割り込んでしまった。我が家では日経、読売2紙を今だにとっているが新聞の活用度と価値は10年前に比べて激減している。日本の新聞発行部数推移年合計一般紙スポーツ誌セット部数朝刊単独夕刊単独世帯数世帯あたり199853,669,86647,289,6176,380,24918,739,89032,952,8801,977,09646,156,7961.16199953,757,28147,464,5996,292,68218,460,75933,381,4651,915,05746,811,7121.15200053,708,83147,401,6696,307,16218,187,49833,702,7271,818,60647,419,9051.13200153,680,75347,559,0526,121,70118,013,39533,862,6001,804,75848,015,2511.12200253,198,44447,390,0275,808,41717,616,62733,900,8961,680,92148,637,7891.09200352,874,95947,282,6455,592,31417,464,92833,781,2601,628,77149,260,7911.07200453,021,56447,469,9875,551,57717,341,99334,066,4421,613,12949,837,7311.06200552,568,03247,189,8325,378,20017,111,53333,927,8211,528,67850,382,0811.04200652,310,47847,056,5275,253,95116,789,31434,047,6601,473,50451,102,0051.02200752,028,67146,963,1365,065,53516,408,72834,174,5581,445,38551,713,0481.01200851,491,40946,563,6814,927,72815,715,33234,403,8181,372,25952,324,8770.98新聞協会経営業務部調べ。発行部数は朝夕刊セットを1部として計算。