思いがけない後遺症
裏の畑の融け残っている雪も少なくなってきて、気温もいつもの冬並みに戻った。先週末の雪の予報は外れてホッとしていたが、九州や西日本の大雪が連日ニュースになっていた。首都圏の雪対策は完全とはいえず、雪が降るたびに交通網は乱れ、自動車事故の多発、転倒による救急車の発動が問題になっているが、今回は西日本と九州である。温暖な熊本、鹿児島県や沖縄にまで雪が降った。それもいままでにない記録的な積雪量である。この雪で大喜びしているのは子ども達だけであろう。鉄道や飛行機は動かず、自動車は立ち往生で日常生活までが大きな影響を受けている。 連日報道されている西日本、九州の大雪のニュースを観ながら「雪に慣れていないからさぞや大変だろう」と思ってはいたが、それは他人事であった。月曜日の午後に、毎週仕事で九州から来ている人から電話がかかってきて、「昨日はたいへんな目に遭った。便数の少なくなっている飛行機にようやっとの思いで乗ったが、福岡空港に着いたが吹雪で着陸できず、そのまま羽田にトンボ返りした。東京で泊まり、今日はキャンセル待ちのチケットを手に入れるためにず~っと並んで待って、やっと帰ってきた」という。身近な人の情報にびっくりした。雪で中央線が止まって出かけられなくなった私だったが、そんなくらいは軽いものだったということ? そして、極め付きの思いがけない後遺症がまだあった。昨日、レモンマーマレードを作る無農薬レモンの注文の電話を入れたら、「先日の大寒波でレモンが木に生ったまま凍ってしまい、ほぼ全滅状態です」というではないか。一度凍結したレモンはもとに戻ってもカスカスで、絞った果汁は苦くて使い物にならないという。瀬戸内海は温暖だというイメージで、雪の影響も少ないと思って油断していたので声も出ないくらい驚いた。そういえば、何年か前にも寒波でレモンが凍ってしまい、慌てたことがあった。あの時は、マーマレード作りは無農薬レモンで作り、ジャムに使う果汁は和歌山県の低農薬レモンを手配した。幸いなことには、今年必要な分だけは作ってあったので胸をなでおろした。しかし、レモンを作っている人はこれから先がたいへんだろう。今から3月にかけてがレモン出荷の最盛期だ。自然には勝てないというが、あまりにも痛ましい。自分だけは良かったとのほほんと喜んでいられない気分である。