カテゴリ:投資・株主優待
金融大崩壊 水野和夫 - 金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 不景気・・あと1年ほどじっと我慢していれば・・などと思っていましたが、 水野さんによると、実体経済が戻るには5年を要する、と。 変わるならば、早めに手を打たないと命取り・・ サブプライム問題でわかった・・本当の問題・・ それは、 「アメリカは金融システムに対する危機管理能力を持っていないという疑念」が深まったこと。 資本主義が誕生以来400年間、資本と国家と国民の利害が一致していたが、 資本が国家と国民に対して離縁状を叩きつけた出来事であった。 これが第一段階。 リーマン・ショックの結果、半年の間に、アメリカの5大投資銀行はすべて消えた。 これが第二段階。 そして、実体経済への影響が本格化する第三段階が、これから始まる。 アメリカは、1995年以降、 「マネー集中一括管理システム」により、 アメリカに入ってくる資本を3.5倍に増やし、それに30~40倍のレバレッジを かけて運用することにより、1994年以前と比べて100倍もの資本を手にし、 「アメリカ投資銀行株式会社」となり、 「アメリカ金融帝国」となった・・これを、新自由主義の全盛時代という。 それが、サブプライム問題でクラッシュ・・ 2008年10月のIMF報告によると、 金融機関の損失は、今後数年間で、約1兆4050億ドル、 このうち既に損失処理されたのは、6330億ドル・・45%にとどまる。 ただし、住宅価格が、今後20%下落すると予想すると、5000~6000億ドルの損失増となり、 もし40%下落するとすると、採集的な損失は2兆ドルを超え、 アメリカの全銀行の株主資本が1兆3000億ドルを大幅に上回り、すべての銀行が国有化される。 また、自動車業界もビッグ3が、実質的に、すべて国有化されるかもしれない。 ・・新自由主義の行き着いた先が、社会主義国家の出現・・というシャレにならない事態 ところで、 2007年時点で3兆8000億ドルの過剰債務を貯蓄で返済するには、5年かかる計算 ・・つまり、実体経済の不況は5年間は続く。 借金返済のために、アメリカ国債を乱発せざるをえず・・またドル安を嫌われるため、 ユーロ建や円建てで発行し続けることによって、 ドル機軸体制の終りが始まる。 「世界は今度、無極化(ノンボラリティ)の時代になる」(リチャード・ハース) アメリカが、「アメリカ投資銀行株式会社」であるなら、 日本は「日本輸出株式会社」といえる。 この輸出会社は、アメリカ向け一辺倒だった。しかし、アメリカの消費に陰りがみえる以上、 今後も輸出会社を続けていくつもりなら、 「日本先進国向け大企業輸出株式会社」から 「日本新興国向け企業輸出株式会社」へ変わる必要がある。 <目次> 第1章 アメリカ発世界金融危機 第2章 危機の震源、サブプライムローン問題とは何か 第3章 「アメリカ金融帝国」はなぜ生まれたのか 第4章 世界は不況からいつ脱出できるのか 第5章 「アメリカ金融帝国」終焉後の世界 第6章 日本経済の生き残る道はどこか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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