カテゴリ:書評・読書メモ
【送料無料】乱読すれど乱心せず 安原顕「乱読すれど乱心せず―ヤスケンがえらぶ名作50選」 春風社 2003年刊 井伏鱒二『黒い雨』・・ ≪井伏鱒二の狙いは原爆告発や反戦ではなく、文中に出てくる庶民の言葉、 「わしらは、国家のない国に生まれたかったのう」に、 怒りを凝縮させる方法を取っている。≫ 武田泰淳『富士』・・ 雑誌『海』に≪連載中は一行も読まず、単行本を読んで仰天、 なるほど村松が一度でもいいから読めと言っていた意味が理解できた。 戦後のベスト10に入る超ど級の秀作だったからだ。≫ 島尾敏雄『死の棘』・・ ≪・・断片的に発表された『死の棘』収録の短編群の大半は、 ミホ夫人が清書したというのだから、これまた驚きではないか。≫ ≪この長編、うんざりも退屈もせず、心震えながら読み、 読後さらにこの倍は読みたいと強く願いもした。≫ 永井龍男『一個 秋その他』・・ ≪永井龍男の短編を久しぶりに読み、巧いので改めて感心した。 彼の名は短編小説好きにとって、特別なもの≫だった。 澁澤龍彦『ねむり姫』・・ ≪何が面白いのか。 大昔の日本の説話から素材らしきものを借りたものが多いが、 それはほんのきっかけで、あとは自由自在、どのようにして話を運べば、 自身も読者も楽しめるかに腐心、破天荒な嘘八百(=想像力)を駆使した 「物語」ばかりだからだ。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.08.27 14:04:08
コメント(0) | コメントを書く
[書評・読書メモ] カテゴリの最新記事
|
|