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2012.12.16
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カテゴリ:書評・読書メモ


一度死んでみますか?―漫談・メメントモリ (PHP新書)

島田雅彦 ・しりあがり寿

2006年刊




 島田雅彦さんとしりあがり寿さんの往復書簡&対談。




≪・・どう考えてもあの世はないと思うんですよね。

 何見たって天国はないだろうと思うんですけど、

 でもその一方で、あったら怖くないなっていう、

 そっちにひかれる自分がいる。≫(し)


≪「あの世」って言葉は使いますし、小説で登場人物の臨死体験を
 書いたりもしますけどね。
 
 その実、信じちゃいませんね。

 あの世って、生きてる人が考えるものでしょう。≫(島)

 「あの世」は、死にたいする安心材料のような形で、
 捏造しているもの。




 古井由吉さんの老人シリーズ・・

≪古井氏によると、老人になると、あの世とこの世の境は弛んでくるそうです。

 明け方などは、亡霊が現れやすく、つい死者のぼやきに耳を傾けてしまったりすると

 いいます。

 そういえば祖父も最晩年はよく死者と話をしていました。

 先立たれた自分の娘、つまり私の叔母と口論しているのを見たときは、

 ああ、おじいさんはあの世とこの世の両方に出入りできるようになったんだと

 思いました。

 私も早くそういう境地に入りたいと思います。≫(島)



「ぼくは不完全な死体として生まれ、

 何十年かかかって完全な死体となるのである」(寺山修司)




しりあがり寿さんのマンガは、

あの世とこの世の境目が曖昧なものが多いような気がします。











<目次>
第1章 生と死のちょっと真面目なアンサンブル
(青木ヶ原で死に場所探し
俺たち流の「メメントモリ」
死後はどうします? ほか)
第2章 愛と子育てとプチ・ファンタジーな日々
(キワモノにもの申す
アヤシイ子育て談義
技術革新は退屈しのぎだ ほか)
第3章 この際、自分たちの生き方を考えてみると
(書くってナンだ、描くってどんなことだ
華麗なるバイト遍歴
認められたい願望 ほか)





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最終更新日  2012.12.16 07:10:04
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