カテゴリ:哲学・思想
【送料無料】 否定弁証法 / テーオドール・ヴィーゼングルント・アドル 【単行本】 テオドール・W. アドルノ 「否定弁証法」 作品社 訳 木田 元、渡辺 祐邦、須田 朗、徳永 恂、三島 憲一、宮武 昭 1996年刊 アドルノの代表作・・ 第1部以降は、ハイデガーの『存在と時間』と、ヘーゲルの弁証法を理解している前提で、 話が進むので、序論のみメモします。 「はじめに」・・ ≪否定弁証法という言い方は伝統に逆らう。 弁証法は、すでにプラトンのもとで、否定という思考手段を通じてある肯定が回復される ことを意味していた。 後日、否定の否定という形容がこのことを簡潔に言い当てることになる。 本書は、いささかも厳密さをなおざりにすることなく、弁証法をそういう肯定的な本質から 解放しようとする。 この逆説的な標題を展開してみせることが、本書のねらいの一つである。≫ 「序論」・・ ≪弁証法とは首尾一貫した非同一性の意識である。 弁証法とは、あらかじめ一つの立場をとるものではない。 思想を弁証法へと駆り立てるのは、思想の不可避的な不十分さであり、 その思想が思考している対象に負う負い目である。≫ ≪しかしこの法則は思考の法則ではなく、実在的なものである。 弁証法的規律に身を屈する者は、疑いもなく、経験の貧困化は常識的なものの見方に とって憤激の的となっているが、しかしこの貧困化こそ管理された世界においては その抽象的な一様性にふさわしいものであることが明らかになる。 管理された世界の苦悩は、概念にまで高められた経験ゆえの苦悩である。≫ ≪哲学は、概念を素材にせざるをえない以上、はじめから観念論たるべく予定されているのだ という一般的な非難に、哲学は-ヘーゲルの哲学でさえも-さらされている。≫ ≪概念を操作しなければならないという哲学の災いを、概念の優位性という福に転じたりしてはならないし、 また逆に、この福を批判することから哲学についての総括的な判決を引き出してもならない。≫ ≪概念の脱呪術化は哲学の解毒剤である。 それが哲学の異常増殖を妨げ、哲学が自己自身にとって絶対者となることを妨げる。≫ ≪つまり哲学が目指すのは、切り縮められることのない外化である。 哲学的内容は、哲学がそれを公式に認めていないところにおいてこそ捉えられるべきなのだ。≫ ≪哲学が深遠さの理念に関与するのは、その思考の息づかいによってのみである。≫ ≪思考というものはすべての特殊な内容に先立って、それ自体においてすでに否定作用であり、 それに押しつけられたものに対する抵抗である。 このことを思考は、その原像である労働がおのれの素材に対してもつ関係から相続した。≫ ≪いわゆる実存的な不安とは、体系になった社会のなかでの閉所恐怖症である。≫ ≪概念がなければ、個人的経験は連続性をもたないであろう。 個人的経験は論証的な媒体に与ることにより、それ自身の規定からして、 つねに同時に単なる個人的なもの以上のものである。・・ 個人的経験が普遍的なものにゆきつくのは、それがそれ自体において普遍的だからであり、 また普遍的であるかぎりにおいてである。≫ <目次> 序論 第1部 存在論との関係 (存在論への欲求 存在と実存) 第2部 否定弁証法 概念とカテゴリー 第3部 いくつかのモデル (自由―実践理性批判へのメタ批判 世界精神と自然史―ヘーゲルへの補説 形而上学についての省察) 【楽天ブックスならいつでも送料無料】否定弁証法講義 [ テーオドール・ヴィーゼングルント・アドル ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.12.07 20:15:27
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