カテゴリ:哲学・思想
岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」 岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」 IT革命の哲学的意味とは・・岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」 BT(バイオテクノロジー)革命の哲学的意味とは・・岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」 第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか・・ トマ・ピケティ『21世紀の資本』で指摘されたこと・・ 1800年以降、1910年まで、 ヨーロッパでは、トップ1%の人が、全体の60%を超える富を占め、 トップ10%の人が、全体の90%の富を占めていた。 その後、1950年までは、格差が縮小し、トップ10%の占める割合は全体の60%強まで 下がったが、1970年を境に、再び格差が拡大している。 同様な傾向は、米国も同じ。 この傾向が続けば、世界的に格差が拡大していく。 ≪そもそも、資本主義は自由な経済活動を根本とするかぎり、格差は必然的に発生するはずです。≫ 社会主義でないかぎり、ある程度の格差は許容すべきなのでしょうが、 はたしてそれはどの程度なのか? 現在、格差問題に対して腹を立てている人にとって、 「格差は経済ではなく政治問題」なのである。 米国においては、 ≪格差拡大の原因は、大企業と政府が結びつき、政府が「大企業やウォール街、金権政治家が 望むことに力を入れている」から≫である。 「1%の大企業のための政治」から、「99%の国民のための政治」への転換を要求している。 また、格差問題そのものの多くは、 「貧困問題」として捉え、解決されるべきことである。 グローバル化は、人々を国民国家から解放するか? ダニ・ロドリックは、『グローバリゼーション・パラドクス』において、 グローバリゼーションにおけるトリレンマを指摘しています。 すなわち、 ・国民国家 と ・民主主義 と ・ハイパーグローバリゼーション の3つを同時に成立させることはできない。 1.もしハイパーグローバリゼーションと民主主義を望むなら、 国民国家はあきらめなければならない。 ex.世界連邦制 2.もし国民国家を維持しつつ、ハイパーグローバリゼーションも望むなら、 民主主義のことは忘れなければならない。 ex.ネオリベラリズム 3.もし民主主義と国民国家の結合を望むのなら、グローバリゼーションの 深化にはさよならだ。 ex.賢いグローバリゼーション ロドリックは、3を採用し、「賢いグローバリゼーション」と呼ぶ。 「私の選択を言わせてもらうと、民主主義と国家主権をハイパーグローバリゼーション よりも優先すべきだと思う。 民主主義は各国の社会のあり方を守るための権利をもっており、グローバリゼーションの 実現のためにこの権利を放棄しなければならないのであれば、後者を諦めるべきなのだ。・・ われれれは最大限のグローバリゼーションではなく、 賢いグローバリゼーションを必要としている。」 <目次> 第1章 世界の哲学者は今、何を考えているのか ・ポストモダン以後、哲学はどこへ向かうのか ・「真理」はどこにも存在しない ・人間消滅以後の世界をどう理解するのか ・道徳を脳科学によって説明する 第2章 IT革命は人類に何をもたらすのか ・人類史を変える二つの革命 ・スマートフォンの存在論 ・シノプティコン――多数による少数の監視 ・ビッグデータと人工知能ルネサンス ・人工知能によって啓蒙される人類? 第3章 バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか ・「ポストヒューマン」誕生への道 ・人間のゲノム編集はなにを意味するのか ・クローン人間の哲学 ・不老不死になることは幸せなのか ・犯罪者には道徳ピルを飲ませる? ・ 第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか ・近代が終わっても資本主義は終わらない? ・格差は本当に悪なのか ・自由主義のパラドックス ・フィンテック革命と金融資本主義の未来 ・グローバリゼーションのトリレンマ 第5章 人類が宗教を捨てることはありえないのか ・多文化主義から宗教的転回へ ・多文化主義モデルか、社会統合モデルか ・宗教を科学的に理解する? ・グールドの相互非干渉の原理 ・創造説とネオ無神論 第6章 人類は地球を守らなくてはいけないのか ・経済活動と環境保護は対立しない? ・環境プラグマティズムは何を主張しているのか ・地球温暖化対策の優先順位は? ・終末論を超えて お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.01.05 21:53:39
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