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2017.01.05
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カテゴリ:哲学・思想

岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」




岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」

IT革命の哲学的意味とは・・岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」

BT(バイオテクノロジー)革命の哲学的意味とは・・岡本裕一朗「いま世界の哲学者が考えていること」



第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか・・




 トマ・ピケティ『21世紀の資本』で指摘されたこと・・

 1800年以降、1910年まで、
 ヨーロッパでは、トップ1%の人が、全体の60%を超える富を占め、
 トップ10%の人が、全体の90%の富を占めていた。
 
 その後、1950年までは、格差が縮小し、トップ10%の占める割合は全体の60%強まで
 下がったが、1970年を境に、再び格差が拡大している。
 同様な傾向は、米国も同じ。

 この傾向が続けば、世界的に格差が拡大していく。


≪そもそも、資本主義は自由な経済活動を根本とするかぎり、格差は必然的に発生するはずです。≫

 社会主義でないかぎり、ある程度の格差は許容すべきなのでしょうが、

 はたしてそれはどの程度なのか?


 現在、格差問題に対して腹を立てている人にとって、
 「格差は経済ではなく政治問題」なのである。

 米国においては、

≪格差拡大の原因は、大企業と政府が結びつき、政府が「大企業やウォール街、金権政治家が

 望むことに力を入れている」から≫である。
  
 「1%の大企業のための政治」から、「99%の国民のための政治」への転換を要求している。


 また、格差問題そのものの多くは、

 「貧困問題」として捉え、解決されるべきことである。


 

 グローバル化は、人々を国民国家から解放するか?



 ダニ・ロドリックは、『グローバリゼーション・パラドクス』において、

 グローバリゼーションにおけるトリレンマを指摘しています。

 すなわち、

 ・国民国家 と

 ・民主主義 と

 ・ハイパーグローバリゼーション

 の3つを同時に成立させることはできない。

 
 1.もしハイパーグローバリゼーションと民主主義を望むなら、

   国民国家はあきらめなければならない。

   ex.世界連邦制

 2.もし国民国家を維持しつつ、ハイパーグローバリゼーションも望むなら、

   民主主義のことは忘れなければならない。

   ex.ネオリベラリズム

 3.もし民主主義と国民国家の結合を望むのなら、グローバリゼーションの

   深化にはさよならだ。
 
   ex.賢いグローバリゼーション


 ロドリックは、3を採用し、「賢いグローバリゼーション」と呼ぶ。

「私の選択を言わせてもらうと、民主主義と国家主権をハイパーグローバリゼーション

 よりも優先すべきだと思う。

 民主主義は各国の社会のあり方を守るための権利をもっており、グローバリゼーションの

 実現のためにこの権利を放棄しなければならないのであれば、後者を諦めるべきなのだ。・・


 われれれは最大限のグローバリゼーションではなく、

 賢いグローバリゼーションを必要としている。」 
 

 



<目次>
第1章 世界の哲学者は今、何を考えているのか
・ポストモダン以後、哲学はどこへ向かうのか
・「真理」はどこにも存在しない
・人間消滅以後の世界をどう理解するのか
・道徳を脳科学によって説明する

第2章 IT革命は人類に何をもたらすのか
・人類史を変える二つの革命
・スマートフォンの存在論
・シノプティコン――多数による少数の監視
・ビッグデータと人工知能ルネサンス
・人工知能によって啓蒙される人類?

第3章 バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか
・「ポストヒューマン」誕生への道
・人間のゲノム編集はなにを意味するのか
・クローン人間の哲学
・不老不死になることは幸せなのか
・犯罪者には道徳ピルを飲ませる?

第4章 資本主義は21世紀でも通用するのか
・近代が終わっても資本主義は終わらない?
・格差は本当に悪なのか
・自由主義のパラドックス
・フィンテック革命と金融資本主義の未来
・グローバリゼーションのトリレンマ

第5章 人類が宗教を捨てることはありえないのか
・多文化主義から宗教的転回へ
・多文化主義モデルか、社会統合モデルか
・宗教を科学的に理解する?
・グールドの相互非干渉の原理
・創造説とネオ無神論

第6章 人類は地球を守らなくてはいけないのか
・経済活動と環境保護は対立しない?
・環境プラグマティズムは何を主張しているのか
・地球温暖化対策の優先順位は?
・終末論を超えて





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最終更新日  2017.01.05 21:53:39
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