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システムエンジニアの晴耕雨読

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2017.03.10
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カテゴリ:書評・読書メモ

白藤香「海外勤務が決まったらすぐ読む本」

あさ出版

2016年刊



 海外現地法人で仕事をするとはどういうことか?

 知らないことばかりですね~(*_*;
 


≪海外勤務は慣れ親しんだ国内市場や職場を離れ、すべてが新しいものとの出会いになる。

 その体験を心から楽しむことができれば、自分を大きく成長させることにつながる。≫


≪本書では、海外勤務を効率よく遂行するにはどうすればよいのかという点を第一に重視している。

 そのためには初めに「海外仕様の思考」とは何か、それを身につけることが大事だと考えている。≫

 最初は、英語の使い方。思考の組み立てとシナリオの伝え方が、日本の思考の順番と異なっている。


 海外仕様の思考には、3つある。

 「事実を踏まえてこうである」と実証する帰納法。

 「仮説を立て、意図する理論軸で複数裏付けられた事例を踏まえてこうである」と実証する演繹法。

 「時系列に推移を踏まえて普遍の事実からこうである」と実証する勉強法。
 
 帰納法は、今ある事実を踏まえての実証のため、実務では使いやすい。

 演繹法は、現在はないものを論理的な創造で作り上げる実証であるため、
 
 新商品開発などで利用する。

 弁証法は、裁判では過去の判例を引用し実証に利用し、

 行政では時系列的な変化のなかにある普遍の部分を核の事実として押さえ、

 軸ブレを起こさないように実務に生かす。




≪海外仕様の思考法を理解したら、その次は未知の市場を分析する力、

 やりたいことを現地の人に的確に伝達する力を養うために、「経営学」の勉強をすることを勧めたい。≫

 特に、経営学における財務会計や人事マネジメントなど組織学、心理学の履修も大いに役に立つ
 
ことは間違いない。

 

≪海外ではよりその国・地域の文化に特化した知見を持ち、専門的な理論に基づいた推論ができれば、

 観察した状況を分析し、「市場では何が起こっているのか」を予測し判断することができるようになる。

 つまり、海外赴任をすると、誰もが観察や推定する能力が日常的に必要になってくる。≫




≪グローバルビジネスでは失敗を恐れてはいけない。

 決してひるむことなく、国内でビジネスをするのと同じようにやってみることが大事である。≫

 思考枠を意識して日本語で話したいシナリオを作り、全部現地語に訳して暗記する。

 それから自己紹介をやってみる。

 それでも上手くいかなかったら、どこができなかったのか、弱いところを分析し、

 どんどん補強していく。そのための一つが、経営学の勉強であり、語学の勉強である。

 海外では現地の人と同じレベルで仕事がこなせないと、一人前とはいえない。

 一人前ととして取り扱われるようにするためには、アポを取り、商談をまとめて、

 収益が挙げられるようになることである。





年代別心得・・

 40代 「人の管理」を重点的に

≪40代になってからは、「‭人の管理の勉強=マネジメントスキル」の習得が役に立つ。≫

≪周囲にいる人に、まず自分が安心できる人であると思われなくてはならない。

 安心できる土台とは何かを考え、今度は日々の対話を通じて信頼関係を結ぶことが大事である。

 最初から人を大切にし、その人の思いを大事にする人は、人から裏切られることが少ない。≫
 
≪一番に必要なことは人に対する思いやりであり、そして安心を感じられるようになることが

 何よりも重要なのである。≫

≪ミドルマネジメントとは、「仕事そのものに習熟し、マジシャンのように収益の拡大を仕込む

 ノウハウがあること」と、そして人のマネジメントとは「心を込めて接し、信頼を得て人を治める」

 ことのできる人が成功者となる。≫


 50代 「マネー管理」「リスク管理」を押さえる

≪50代になって海外勤務する場合は、いかなる人に対しても基本マネジメントができることが

 前提条件となる。

 最初にやるべきことは、現地の市場を勉強することである。

 マネジメントができても、日本との市場の違いがわからない人は成功できない。

 そのため、海外市場を回り、仮説を立てながら、市場の成功の軸を理解することが最重要課題である。≫

 また、管理会計の知識が最も重要であり、お金を管理できることが基本となる。

 また、常に市場をみながら、リスクの試算もしておくことを忘れてはならない。

 トラブルが発生し、いざというときにどんな対処をするとベストなのか、

 その対処案はどのようにすればすぐに対応できるのかを突き詰めて考えておく。

 現地の取引先と、よくシナリオを詰めておくこと。
 
 経営者の仕事とは、マネー管理とリスク対策である。




 出向した場合、現地に対する情報提供はどこまで出すべきか、

 本社からあらかじめ指導を受けておくことが賢明である。


 海外現地法人では、「口が堅いこと」、

 親しい仲でもみだりに情報を流さないことがルールとなっている。

≪海外企業の多くでは、個人の職務範囲と明細が決められている。

 上司と部下の縦の関係だけで、平素の業務に関する相談や仕事に関する話は

 完結するルールがある。その原則の下、海外現場の組織では、決められた範囲内で

 情報をやり取りすることが万全とされている。≫




「日本式の報連相をやらないと・・」という思考法は誤り

 海外では課題を与えて考えさせるマネジメントが主流であるため、日本式の報連相はやらない。

 教えてばかりいたのでは「実がとれない」うちに退職されてしまう。

 苦労して覚えたものは「(それを)使って収益を上げないうちは辞められない」という心理が働く。

 辞めさせないために、報連相を禁じるのである。



<目次>
<第1章 海外勤務の機会を獲得する条件>

1.海外勤務は選ばれた者だけが実現できる
~~海外仕様の思考が身についていると大きなアドバンテージに。
・かつては憧れの的だった
・ノウハウ継承が途切れた2000年代
・1990年代と大きく変化したグローバル市場の現状
・海外勤務では海外仕様の思考法が必要
・日本とは異なる「思考の順番」がカギを握る

2.語学よりも「専門知識の習得」が必要不可欠
~~最初にすべきことでステージアップするためのパスポート。
・専門分野の知識を獲得することが先決
・「観察からの洞察力」が求められる
・マーケティングの知識を活用する
・「法律の知識」も押さえておく
・「心理学の知識」は組織マネジメントに役立つ
・「意思決定できる能力」が日本と海外で違う

<第2章 グローバルで評価されるキャリアプランを構築する>

1.専門分野を武器にし立てる
~語学力に加えて体系的な学問・理論を習得しよう。
・大学院で経営学を勉強する
・経営学修士(MBA)の持つ力はますます生きてくる
・技術職には意外なキャリア展開がある
・語学の習得レベルはキャリアレベルに合わせる
・「生きのびるための語学力」を身につける
・グローバルキャリアを持つ経営職の教訓

2.年代別、役割別につくる
~~段階的にマスターしオールラウンドの知見を身につけていく。
・20代のキャリアプラン­次の10年の仕込み機関と位置付ける
・30代前半のキャリアプラン­複数の成功事例を体験する
・35~40歳のキャリアプラン­ビジネスプランの策定・実践を経験する
・40代のキャリアプラン­「ヒトの管理」を重点的に
・50代のキャリアプラン­「マネー管理」「リスク対策」を押さえる

<第3章 赴任して即、結果を出す(実践編)>

1.海外仕様の思考をマスターする
~~とくに「演繹法」「帰納法」を活用し効率的な伝達をする。
・思考枠が同じになれば仕事はスムーズにいく
・海外仕様の思考法には3種類がある

2.「失敗しない提案の仕方」を理解する
~~思考枠を軸に専門知識で肉付けをしていく。
・3種の思考枠で考える
・思考の違いを埋めるために経営学が必要
・「マーケティング」「財務会計」の知識も外せない

3.その他の専門知識を押さえておく
~~足りない知識を補強し海外仕様の思考軸を活用する。
・「経済学」「数学」「統計学」が3種の神器
・海外仕様の思考を実践する

4.「思考の共通プラットフォーム」を忘れない
~~思考のズレがボタンの掛け違いの原因になることを再認識。
・コミュニケーション阻害要因は「思考の違い」
・アジアでも、海外仕様の思考法で組織づくりを目指す

5.「異文化」の定義をはき違えない
~~違いを受け止める。ただ何事も自分の枠に当てはめない。
・実際の現場では異文化そのものによる弊害はない
・マネーに対する価値観が日本と海外では大きく違う
・うまくいかなかったら原因を分析、成功事例と比較し補強する
・米国で痛感した専門知識の不足
・限界を突き破るコツ

<第4章 語学力を確実にアップさせる秘訣>

1.基本的な勉強法を実行する
~~文法ではなく、使われているままの「口語仕様」を学習する。
・「経営学プラス語学」で海外勤務はパーフェクト
・まず聞いてみる
・旅行会話は語学力上達の出発点
・EUの言語はラテン語に共通点がある
・多くの単語を覚えるための方法
・大学受験の参考書を暗記する

2.実践的に身につける
~~机の上ではなく、身の回りにあるものからこそ学べる。
・映画を活用すると驚くほど進歩が早い
・英語の詩を読んで覚える
・歌で丸暗記すると効果が高まる
・「NO」と言う習慣をつける
・英語のビジネス誌や新聞記事を読むと語彙力が高まる
・ネイティブの発音で音読する
・マイナー言語の修得も有利
・大事なことは「伝える力を磨く」

<第5章 海外でしっかり成功できる「自己・組織のマネジメント」>

1.「善悪の倫理」の軸がぶれない
~~収益獲得につなげていく組織行動とマネジメントに必要なこと。
・西洋型組織行動に沿って運用する

2.「家族の役割」を最大限に生かす
~~単身赴任自体が最大のリスク。問題が大きくなる前に手を打つ。
・酒、オンナ、バクチになぜ溺れるのか
・家族を呼んで旅行に出かけよう
・繰り返される、某日本企業・北京所長たちの悲劇
・横領に走る海外駐在員の共通項がある
・セクハラ、パワハラは重大な事態を招く
・現地に対する情報提供の範囲は事前に決めておく
3.口が堅い

~~自分がいかに注目されているかを自覚し情報は自らが管理する。
・現地に対する情報提供の範囲は事前に決めておく
・技術情報の“出し"も“入れ"も罪になる
・部署の失敗を他部署に話すと即刻クビ! ?

4.「流れに沿って生きる」対応をする
~~現地の中に溶け込み、違いを認識し、無理強いしない。
・徐々にその国の生活に溶け込む
・日本の習慣との違いを観察し、学習する
・日本のやり方を無理矢理強制しない

5.多様な価値(ダイバーシティ)を受け入れる
~~偏見をもたない。人間関係では信頼を得ることを心掛ける。
・どんな人も人として受け入れる
・女性に対する偏見や差別が世界でも横行している
・相手から「この人は信頼できる、頼りになる」と思われる

<第6章 効率的にきちんと進める「仕事・リスクのマネジメント」>

1.チームみんなで仕事ができる
~~約束を守らないことがプロジェクトの足を引っ張る。
・まずゴールを確認し、実行する

2.人材育成でのコミュニケーションはここに注意
~~仕事の基本は個人対個人。ただ日 本人同士は情報交換しておく。
・外国人上司との対話の注意点
・現地でのコミュニケーションルール(E-MAILでの注意事項)

3.組織のリスクマネジメントはこう進める
~~マネジメント職でも例外ではない。油断も隙も見せない。
・海外法人を改善する、4つの基本法
・海外法人でのたるみゆるみを直す
・メンタルヘルス不調者には細心の注意が必要
・海外勤務者のアルコール中毒は大きな問題を引き起こす
・職場、仕事上のセクハラ、パワハラ対策は最重要
・本社主導で駐在員を自暴自棄にさせない
・マネジメント職の不祥事も発生している

<第7章 グローバルで通用する「個人力」を磨く>

1.個人としてのスタイルや人格を持つ
~~自分自身が商品。チーム力が損なわない程度に自己PRが必要。
・「チーム力」と折合いをつけて「個人力」を発揮
・世界のどこでも「生き抜くべく力」
・日本人の弱点を克服する
・得意分野を探してアプローチする

2.「人は人」と割り切る個人主義になる
~~干渉はしないほうがよい。ただ不祥事には厳しく接する。
・EU地域は個人主義、アジアは人の距離が近い
・余計なお世話はやかないことが無難
・上司と部下の関係も個人として割り切る

3.人を愛する、人が好きである
~~見知らぬ人とのちょっとした触れないがグローバルビジネスの魅力。
・楽しく人とつながりながら仕事をしたいのは万国共通
・海外では「仕事は自分のため、家族のため
・「なぜ、どうして」と考える習慣を持つ
・絶対に曲げてはならないのが「自分の軸」

4.偏見や先入観を持たない習慣をつくる
~~外見で判断しないのが鉄則。物事の多様性が知恵を生む
・見た目よりもはるかに大切なことがある
・YES、NOが曖昧な場合は、OKと思われる
・優秀なアジアのアフリカ人
・知恵と多様性を吸収して仕事につなげる

5.人を見る目と内面を読む力を養う
~~人間としての総合力をあげる。まずは対話から始める。
・日本人は「帰属」だけで人を判断しがち
・対話力がビジネスの勝利につながる

6.リスクを管理し自分の身は自分で守る
~~赴任が長くなるとついつい緩みがち。そこを自覚する。
・リスク管理はグローバルビジネスでは必須スキル
・タクシーの悪質な事例と安全な乗り方
・ホテル・住居侵入が多い
・仲間との食事やコミュニケーションを大事にする

<第8章 不可欠な業界・職種・地域別能力を身につける>

1.習得しておきたいスキル《業界別能力》
~~ここでは3業界を紹介。共通するのは語学力と思考力。
・1 オールドエコノミー(製造業)――とくにマーケティング課題を残す
・2 ニューエコノミー(サービス)――「売れる時代」のノウハウは早期に決別する
・3 金融業界――激戦の業界で、日々の業務の勉強が不可欠

2.習得しておきたいスキル《職種別能力(コア)》
~~本書で紹介したスキルがあれば十分に戦える。
・1 コストセンター(非収益部門、管理部門)――海外仕様の思考がとくに必要になる
・2 マーケティング職――統計等、数字に関するスキルが必須
・3 営業職――人間関係のスキルが不可欠なのは日本国内同様
・4 開発設計職――チーム・プロジェクトの管理力が問われる
・5 経営者――人脈をふくめた、本当の総合力で勝負

3.国・地域別で求められる能力を覚えておく
~~必要なスキルは同じだが、その重要ウエイトが変わる。
・1 アジア――各地域各様の幅は世界で一番の多様性
・2 北米、EU――市場の攻略が難しい北米市場
・3 EU――EU市場は相互理解が大切
・4 それ以外一般地域――英語力にくわえて「紹介」があれば安心して仕事ができる

<本書のまとめ 海外で成功する実践「七カ条」>

コラム 個人のサバイバル力を養う9ステップ
◇◇第1条▶海外仕様の思考枠を体得する
◇◇第2条▶現地語で「5W1H」を習得する
◇◇第3条▶「郷に入れば郷に従え」の生活を送る
◇◇第4条▶明確なビジョンと計画を持つ
◇◇第5条▶偏見を持たない。良好な信頼関係を築く
◇◇第6条▶やると決めたら絶対にやり抜く気力と能力を持て
◇◇第7条▶収益確保は3年以内と心得る

コラム 個人のサバイバル力を養う9ステップ
◇◇ステップ1:人生ビジョンを立てる その1
◇◇ステップ1:人生ビジョンを立てる その2
◇◇ステップ1:人生ビジョンを立てる その3
◇◇ステップ2:キャリアビジョンを描く その1
◇◇ステップ2:キャリアビジョンを描く その2
◇◇ステップ2:キャリアビジョンを描く その3
◇◇ステップ3:経営学を勉強する
◇◇ステップ4:海外仕様の思考を勉強する
◇◇ステップ5:語学を勉強する
◇◇ステップ6:幅広い人脈をつくる
◇◇ステップ7:ビジネス機会獲得のためのチャレンジ
◇◇ステップ8:何事もスピードアップを図る
◇◇ステップ9:イノベーションを起こす

コラム グローバル市場で成功するアクション
◇◇芸能界に学ぶ、セルフ・プロポライエターのグローバルチャレンジ
◇◇成功するアメリカビジネスでのキャリアモデル





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最終更新日  2017.03.10 22:26:04
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