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2015.03.23
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 スタジオジブリ8年の歳月と50億円をかけた超大作として公開前から話題になっていた『かぐや姫の物語』。
 第87回アカデミー賞受賞を狙う勢いでしたが、ディズニー作品の『ベイマックス』に惜しくも破れてしまいましたね。

 去る 3月13日にテレビで初放送されましたが、皆さんはご覧になったでしょうか。
 かく言う私は仕事で帰れなくなり、テレビ放送はバッチリ見逃しましたよ。
 でも、話題性のために一度は観ておこうということで先日借りました。

 しかもついでにこんなドラマのボックスセットまで買ってしまい、なんかよけい忙しくなった感じでございます。
 ちなみに、こちらの韓国ドラマは近年まれに見るタイプのよくできた作品です。
 全編を通じて中だるみやドロドロしたところがない大爆笑もののコメディドラマになっていますので、興味がおありの方はダマされたと思ってレンタルしてみてもよいかもしれません^^。

ずる賢いバツイチの恋.jpg




 話を『かぐや姫の物語』に戻しましょう。
 こちらはプロモーション活動が大々的だったことも記憶に新しい方も多いかもしれません。
  2013年の9月頃だったと記憶していますが、『許されざる者』を映画館に観に行ったときにこちらのディスクセットが無料配布されていました。
  
かぐや姫プロローグディスク

 中は見開きになっていて、主題歌を担当した二階堂和美の新アルバム『ジブリと私とかぐや姫』の宣伝文句が並んでいます。

かぐや姫プロローグディスク中ジャケ

 そしてこちらが中身のディスク。
 左が DVD、右がブルーレイディスクという太っ腹プレスに加え、ジャケットに採用されているシーンのイラストがそれぞれ違っているのも粋な計らいですね。

かぐや姫プロローグディスク2枚


 プロローグ動画は、二階堂和美が歌う『いのちの記憶』に乗せて、竹取りの翁がかぐや姫を発見するところから美しい娘に成長するまでを 6 分間のダイジェストで送る形になっています。
 これだけで全体の作風がつかめてしまいますが、このディスクをもらった人は観に行くかどうか相当迷ったのではないでしょうか。

わかりやすいあらすじ


 竹取りジイさんが竹やぶで光り輝く女の子発見。
 この世のものとは思えない愛らしさに、ジイさんとっととお持ち帰り。
 家につくと、お子ちゃまがみるみる赤ん坊がえりして、そこから人生スタート。
 少女のおどろくべき成長の速さと、物事の飲みこみの早さからして、老夫婦もこの子がフツーの人間ではないことは知りつつも、娘の幸せを望む保護者として嫁に出すことに。
 結婚話をもちかけられてもどうにもしっくりこないし、婿候補はみんなキモくて見栄っ張りでウソつき。

 なにこの人たち。
 と違和感を爆発させたところで月からのお迎えの御一行様登場。

 少女は地球の人間を放ってとっとと月に帰ったという、お馴染みのかぐや姫のおはなし(竹取物語)。
 

どこがイマイチなのか


 映画系情報サイトや海外のアニメ映画好きの間でも『かぐや姫の物語』に好意的な意見が多いいっぽうで、この映画の良さが理解できない奴は無知だみたいな意見も散見されたりして、正直戸惑いを感じています。

 以下、私がイマイチだと感じた点を挙げてみます。

1.かぐや姫の人物像がもともと苦手

 これは個人的な感想なのでどうしようもないですね。
 年老いた夫婦にさんざん面倒を見させておいて、縁談にありえない条件をつきつけて片っ端から断わり、とっとと月に帰ってしまうわがまま女ですから。


2.大衆向けのアニメ作品なら、まず子供が楽しめるつくりであることが重要

 大衆向けのアニメ作品は、頭をからっぽにした状態で楽しめることが大前提になるのではないかと私は思います。
 物心ついた子供なら話が理解できることが重要で、子供が楽しめて話題になることから人気に火がつくと、以前当ブログでもご紹介した『アナと雪の女王』のような一大ブームが起こりやすくなります。

 それこそ、アニメ作品本編のみならず、主題歌CD、キャラクターなりきり衣装や、バッグ、文房具品、食器などの日用品なども飛ぶように売れるようになります。
 ジブリ作品では、『となりのトトロ』、『風の谷のナウシカ』、『魔女の宅急便』などのグッズがいまも順調に売れ行きを伸ばしているのが、アニメのイメージを子供立ちの頭に強烈に植えつけた結果、その子供たちが成人してもずっと好きでいられる結果にもつながります。

 アニメ作品のマーケティングを行ううえで子供の存在は絶大です。
 子供を囲い込めば、親も参加せざるを得なくなりますから。

 そういう意味では、『かぐや姫の物語』はターゲット層がどうも曖昧ですね。
 もちろん、古文の授業で『竹取物語』を習ったり、もともと『竹取物語』のファンにはたまらない世界観の再現になったりするのでしょうが、それ以外の視聴者に対しては、消化不良な後味が残ることになります。

 キャッチコピー「姫が犯した罪と罰」が本編で具体的に語られないところは、背景情報の理解力を視聴者に求める形になっているため、小さな子供向けでないことは明らかです。

3.長すぎる

 ほのぼのとした農村の様子、花嫁修業にあけくれる日々、花婿候補に追われてさあ大変、月からのお迎えを前に葛藤するかぐや姫。
 どれも作品には重要だと思いますが、それぞれのシーンが長すぎるので、疲れているときに観賞すると眠くなります。

 もっとテンポよくダイナミックな作りにしたら、一時間そこそこでまとまりそうですね。
 137分は長すぎるのが正直な感想です。

4.全世界公開に立ちはだかる数々のハードル

 かつて、まんが日本昔ばなしという子供向け長寿番組がありましたね。
 そのなかで、数々の日本の昔のしきたりや考え方を違和感なく見てきているわけですが、海外の場合は文化や宗教上の違いから受け入れられない部分も出てきます。

 以下、『かぐや姫の物語』が海外で規制対象になりそうな部分をいくつか挙げます。

 1) 老婆の乳房露出

 乳飲み子を腕に抱いた瞬間、老婆の乳が出るようになり、その場でボロンと乳房を露出し、デカい乳首を赤ん坊に吸わせるシーンがあります。
 これを見て、微笑ましいシーンだと素直に感じ取れるのは、日本昔ばなしを普通に見てきた世代のひとたちや、道端で堂々と授乳することが許される社会くらいのものでしょう。

 当然、胸元の露出が禁じられている国での上映は規制対象となりますし、子供向けのアニメ映画として上映を考えている国なら、このシーンは規制対象となる可能性が高くなります。

 2) 下着を着用しない子供たち

 幼少期のかぐや姫は下半身丸出しで動き回っています。
 それだけでなく、近所の子供たちもみな下半身はすっぽんぽんです。

 確かに昔は下着を着用する習慣がなかったと歴史的な情報を与えるシーンではありますが、幼児性愛者の犯罪に対してナーバスになっている国々では眉をひそめることになるシーンです。

 おてんばなかぐや姫が全裸になって川に飛び込むシーンもありますが、同様の理由で規制対象になりますね。

 3) 初恋の相手の不貞

 婿選びに疲れきったかぐや姫が屋敷を逃げ出し、村で初恋の相手を見つけ、ちょっとした逃避行を楽しみます。
 この二人、それはそれで楽しそうなんですが、相手の男性は何と妻子持ちです。
 それ以上何があったわけでもないですが、こういった誤解を招く行動を宗教上厳しく律している国々では規制の対象になりますね。

 全世界公開にむけて、こういった問題のあるシーンの数々を黒く塗りつぶしたり、カットしまくったりすると、作者の意図した世界観が伝わりにくくなってしまうことは必至です。
 
 このような要素がアカデミー賞受賞の足を引っ張ることになった印象は否めないのです。
 

どこがすごいのか


 すでに文字数制限に達してしまったので、以降は端折ります。

 この作品のすごさは、何といっても絵だと思います。
 個人的に画風は好みではないのですが、以下をご覧いただければ、そのすごさを理解していただけるでしょう。

かぐや姫の色入れ
 
 青いマルで囲った部分ですが、線が途切れていますね。
 このように、線を途切れさせてしまうと、ワンタッチの色塗りができなくなります。

 つまり、画の作業工程はこのようになっていると容易に想像できるわけです。

 下絵描き → 輪郭描き → 色塗り → 輪郭非表示(or撤去)→ 別の線で途切れた輪郭を描き足し → 描き込み

 また、矢印で示したところが、わざと塗り残してあります。
 この途切れた輪郭と、塗り残しによって、絵全体が不安定になってしまうため、いくらチームワークであっても、線の動きが不自然になってしまったり、塗り残しの動きがおかしかったりすると、生きているような動きにはならなくなります。

 監督が気に入らなければやり直しになりますから、このような画を一枚一枚アニメーターが仕上げるのは気の遠くなるような作業を要することになります。

 また、背景画でも山や田畑のような静止しているものと、風や桜の花びらなどの動きのある背景も同様に不安定な着色になっていますので、スタッフは相当泣かされたことでしょう。
 日本画の特徴である、前景には濃い色を採用し、後方に行くにしたがって同じトーンの色を淡くして塗っているのもよくわかりますね。

 また、音声を録音してから後で作画しているのも、従来のアニメーションづくりとは逆の発想になっているのも特徴ですね。
 音声が先にあることで、アニメーションの方で動きを調整しているのも、この作品のすごさともいえるでしょう。

 竹取じいさん役の地井武男の最後の作品となったことでも有名ですが、もしこれがアテレコだったとしたら地井武男の竹取じいさんの声を聞くことはありえなかったでしょう。

 
 丸尾末広の作画で、音楽がJ・A・シーザーの竹取物語だったら劇場に何度も足を運び、DVD が出たら即買いするんですけどね……。
 というテキトーなレビューでございました。

 もう文字が入らないので拍手は省略させていただきます。









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最終更新日  2015.03.24 12:41:58


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