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テーマ:植物・キノコについて(671)
カテゴリ:キノコの不思議
無理矢理こじつけるとすると、大きめの「ナメコ」といったところでしょうか。 (ちなみに、「大きなナメコ」の形容に相応しいのはハナイグチのほうですが、こんな低地では見られるはずもありません。ともに『ラクヨウ』の別名で呼ばれることもある食用キノコですが、味はハナイグチのほうが数段上) 「~イグチ」とつくキノコの裏側は、皆さんご存知のシイタケやブナシメジのようなヒダの構造にはなっておらず、「管孔」と呼ばれる管状の無数の器官が穴を下向きに並べられた構造になっています。 例えますと、管孔は蜂の巣のような構造になっています。 この管孔にはヒダと同様に胞子が作られます。若いイグチと古いイグチを比較しますと、時間が経つほどに管孔の部分の厚みが増してくることが分かります。 イグチ類を食用にするとき、この若い管孔に関してはそれ程問題にはなりませんが、もともとキノコ自体が食物繊維の塊であることに加えて、管孔自体も難消化性を持っているらしく、食べ過ぎるとお腹を壊します。 ですから、古いイグチの管孔は、取り除いたほうが無難です。 更に、この管孔の部分にキノコバエが卵を産むことが多く、キノコ自体が大きく育つと、そこには小さなうじ虫が…、な訳で、取り除いたほうがいいかな。 とりあえず、塩水を使って虫出しくらいは行なったほうがいいでしょうね(気にしないようでしたら、虫も一緒に食べてもいいですよ。私はイヤですけれど)。 この写真を撮影した場所は、草地の中に2本だけ生えたアカマツの根元辺りです。 右の写真において、ヌメリイグチが1本の線上に並んで生えていることがお分かりでしょうか。 松とキノコの相関関係を実験で調べたような記事がありまして(その記事では、ショウロというキノコを使用していました)、キノコの菌糸が松の根に付いていないものは、次第に勢いを失って枯死してしまうのだそうです。 松が生きていくにはキノコの存在が不可欠で、逆にキノコが生きていくには松の存在が不可欠な訳です。つまり、松と一部のキノコは共存関係にあるのです(マツタケに関してよく知られた事実です)。 確かめてはいませんが、写真のヌメリイグチの下にはアカマツの根があり、ヌメリイグチの菌糸とアカマツの根は繋がっていて、互いに足りない栄養素を供給しあっているのです。 現在の森では松喰い虫や酸性雨などで弱ってしまった松が、バタバタと倒れて消えていく光景をよく目にします。そして、松だけではなく、他の木々も何らかの影響で消えていくと、林床は遮るものを失って乾燥化が進行します。 先にも述べましたとおり、多く場合「木」と「木の子」は共生関係にありますから、木が死ねばキノコも後を追い、乾燥に弱いキノコが死ねば木も弱くなってしまう訳です。 一方向からしか物事を見ないでいますと、大事な部分が欠け落ちてしまうのですよ。 困ったことに、木が枯れて出来た空間に植えられた苗木は、きれいさを演出するための桜の木だったのです。自然を舐めています。 ここまでで、疑問に感じた方もいらっしゃるかもしれませんので補足しますが、「キノコ」と呼んでいるものは実は正確には「子実体」と呼ばれるもので、種子植物の「花」に当たるようなものです。 『キノコを採って食ってるのに、偉そうなことを言うな』というのはある種の誤解で、キノコの本体は実は地中にあります。環境が激変しない限り、条件が整えば、また新しいキノコ(子実体)を出してきます。 ただ、無尽蔵に生産することはありませんから、節度をわきまえて行動するように気をつけています。私も、キノコが無くなってしまうのは困ります。 なので、必ず数本のキノコは残すようにしていますので、ご安心ください。 皆さんにも、キノコの意外な一面が伝わりましたでしょうか。 この記事に書かれていることは、自然の中のキノコの役割のほんの一部に過ぎません。 皆さんの視点で、もっとキノコのことを見てあげてください。 ブログランキングに参加しています。押していただけると、うれしいなぁ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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