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テーマ:法律(493)
カテゴリ:法律
軽い読み物として買い集めてる21のメソッドシリーズ、労働事件編を読んだ。感想を書いていく。
こんなところでつまずかない! 労働事件21のメソッド [ 東京弁護士会 親和全期会 ] まず、僕の立場だけれど、労働事件はほとんどやったことがない。年に1件か2件くらい、あるかないかというレベルである。ただ、どれもこれも色々あったなぁ、という気持ちがあるし、あまり頭を使わずにルーティンでできる仕事ではなかったものばかりであっただけに思い入れは深い。 縁があればやりたいなぁ、とは思うものの、あんまないんだよね。そんなわけで、弁護士の体験談を集めた21のメソッドシリーズは基本書や判例では掴めない、生きた法律の使い方だとか、現場での悩みを追体験できて非常に面白い。 しかも、体験談は労働者側と使用者側がバランスよく配置されている。使用者で印象に残ったもなといえば、労働審判の席で「妊娠した労働者を雇い続けなければいけないなんて、おかしいでしょう?」とか言ってしまう人事部長に弁護士が頭を抱えるシーンとか(179ページ)、想像すると読んでいる僕まで胃が痛くなる。 そんな労働事件のメソッドだが2つくらいに絞って見ていく。 1つがメソッド17、合同労組との団体交渉である。 あえて合同労働組合、つまり1つの会社の従業員だけで構成されている組合じゃなくて、複数の企業の従業員によって構成される労働組合で章立てしてる以上、やはり対応が変わって来るのだろう。 自分が対応していた事案を思い出し、読んでて胃が痛くなってきた。ユニオン系はなんかすごい強硬なイメージが強くて…。 自分語りはいくらでもしたいが、差し障りがあるので割愛する。 それから、メソッド19の残業代請求の章。会社がタイムカードの開示を拒否した場合の事案を掲載している。 僕は、自分がやったとき、あんま悩まずに保全やっちゃったけど、掲載されている2つの体験談はいずれも保全はやってなかった。 ある日、突然に裁判官といっしょに会社に乗り込み、タイムカードをコピーして帰ってくる、というのはかなり痛快だったし、またやりたいものだが、あんまやらないのだろうか。そう言えば、相手方の弁護士に「まさか保全までやるとは…」と言われたけど、あれば嫌味だったのかもしれない。 ところで、番外編として面白かったのが、『勤務弁護士は労働者か(11〜13ページ)?」という、若手弁護士が酒飲みながら思考実験としてやるテーマである。 昨今は弁護士の増加から、酒の席の冗談ではなくて、訴訟沙汰になっているケースもあるようだ。本書も一定の考察はしているが、「一様の結論にはなりません。」と、ケースバイケースになることを述べ、考慮要素を提示するに留めている。 常識的と言えばそうだが、白黒ハッキリしない。 法律事務所を構成する上で、資格を持たない事務員と異なり、弁護士というはピンキリで、緩やかな拘束しかない者や、個人受任禁止で事務所の事件しかできないところもある。 このへん、弁護士でないと面白くもなんともないのだろう。そのうち、判決まで行く裁判例が出ないかな、と思ってる。 こんなところでつまずかない! 労働事件21のメソッド [ 東京弁護士会 親和全期会 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.07.12 01:22:54
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