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2020.02.19
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テーマ:法律(494)
カテゴリ:法律
僕が弁護士になったころは超高難度だったネットトラブル、発信者情報開示の法的手続だけど昨今はわりと普通の弁護士が普通にやる程度の事件になってきたように思う。
そんなおり、新刊で『インターネット権利侵害〜削除請求・発信者情報開示請求後の法的対応Q&A』が出た。ざっと読んでみたので感想を書いていく。



インターネット権利侵害 削除請求・発信者情報開示請求“後”の法的対応Q&A [ 深澤 諭史 ]


まず、本書だけどメインとなるのはタイトルの後段にある「発信者情報開示請求後の法的対応」にある。
つまり、ネット上の名誉毀損なんかをしている者を突き止めた後、どういう対応をするべきか、という内容になっている。つまり、慰謝料などの金銭請求のやり方、相場などの解説ということになる。
そうすると、ターゲット層としては発信者情報開示をする能力があるということが、本書を読む上で最低限必要なスキルということになる。
かと思えば、「法的措置を取ります」と内容証明を送ってから提訴するまでの間隔はどうするべきか、初手でいくらくらいの請求をすべきか、と交渉術の範疇に含まれるような解説もあったりする。まあ、交渉をやる上では裁判例の傾向は知っておく必要があるので、これは丁寧に説明してもいいとは思うけど。この手の交渉術は本で読むというより、事件処理の経験うちに自然に覚えるのだろうが、活字になっていると思うところもある。

著者が重要なポイントとして繰り返し解説する、慰謝料の相場や発信者情報開示にかかった弁護士費用が請求できるかという点については、裁判例をいくつか紹介するということになっている。
個人的には裁判例をざっと一覧表にしてまとめて欲しいとは思うところ。ただ、著者も「交通事故みたく大量の事例が集まるわけでもなく、赤い本みたいな相場を作るのは難しい」というようなことを述べているので難しいとは思うのだけど。

なお、この手の研究は進んでないのでネット検索したときに上の方に出てくるのを「脅威度」と、発信者情報開示後の対応がまずくて対応をした弁護士とともに炎上することを「共同炎上」と造語を作ってみたりしている。
そのうち業界的に定着するかもしれないし、そうでないかもしれない。特に共同炎上は……特殊すぎて僕も例を1つしか知らない。

まとめに入るが、本書は最低限、発信者情報開示請求の手続きができる中級者以上向けということになるから、全くこの手の事案をしたことのない弁護士はあまり対象にしてないのだろう。そこは理解した上で読むべきだろう。
僕はたまに発信者情報開示から慰謝料請求をするのだが、年に数件くらいしかやらないので経験を積むことが難しく、またほとんどを訴訟外で終わらせてしまうから最新の裁判所の傾向を知れたことは役に立ったかなと。
一方で全くネット上の名誉毀損について扱ったことがないという方は、この本じゃなくて別の書籍を、オススメする。
200頁くらいと薄いので、とりあえず読んでみてもいいかも。



インターネット権利侵害 削除請求・発信者情報開示請求“後”の法的対応Q&A [ 深澤 諭史 ]





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最終更新日  2020.02.20 21:04:23
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