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カテゴリ:漫画
前巻の感想(桃太郎卿の戦いっぷり)でも書いたけれど,『衞府の七忍』そろそろ話をまとめにはいったようで,表紙を見てもこれまでの話で主役を張った怨身忍者が表で4人,裏で3人描かれていて,これまでと違う感が出てきている。 なお,カバー裏には兵藤伊織,銀狐,山本テヤン勘助のヒロイン3人が描かれている。 京馬編の感想を述べた後,全体の七忍の話をしたい。 衛府の七忍 9【電子書籍】[ 山口貴由 ] まずは,京馬編。 この黒須京馬は『エクゾスカル零』や『開花のススメ』なんかに登場するキャラである。エクゾスカル零では唐突に登場したと思ったら物語が終わってしまったので,ある意味で最後の七忍にふさわしい。 さて,京馬だけど真田十勇士の弟分という立ち位置になっている。 彼が面白いのが,死んでしまった十勇士の遺体や,生きている十勇士の体の一部を忍法「淤能碁呂」(おのごろ)で移植された改造人間みたいな扱いになっているところである。 たとえば,背中におのごろされた根津甚八のおかげて,京馬は「忍法鰓瞼(えらまぶた)」を使える。口から飲んだ水を瞼から出して,水中呼吸ができたりするのだ。 また,頭髪におのごろされた霧隠才蔵の「忍法映し髪」は,髪をカメレオンの迷彩のように使って変装や保護色を使って隠れることができる。 (9巻54頁。おのごろなったか,は何度も繰り返されるのだけど,熱いですよ) このデタラメの中に,どこか科学的な説明をつけるのは,山田風太郎先生の忍法帳を読んでいるような気分になりますね・・・。そもそも,これまでの怨身忍者は「忍者」と名乗りつつ,別に忍者ではなかったような気がするから,これが正統派忍者というべきだ。 危機に陥るたび,京馬の体に移植された十勇士たちの幻影が「おのごろなった!」と力を貸してくれるシーンは胸が熱くなりますね。 それに十勇士の忍法を全て1人で使えるというのならば,これまでの怨身忍者たちのなかでも圧倒的な上位クラス。対等に戦えるのは波裸羅くらいなんじゃないかな。 一方,今回の主役が強い物だから,敵方も超絶に強い。剣聖・上泉信綱だ。 チャンバラ小説なんかの世界では最強とも言われてる。これが山口貴由の世界観だと,「時淀み」が体の周りに常時発動していて,間合いに入ると物体が超スローでしか動けなくなると言うのだ。 『ジョジョの奇妙な冒険』でもそうだけど,時間をどうこうする能力は強い。 (9巻13頁。ジョジョならばラスボス級のチート能力) 最終的に,京馬は猿飛佐助の奥歯がおのごろされたことで使えるようになった,「忍法奥歯噛み」を使って時淀みに挑む。 これは奥歯を噛みしめたとき,すごい速度で動けるというの。たとえるなら,『サイボーグ009』の加速装置みたいなもん・・・というか,そのインスパイヤですね。 (9頁148頁。血がたぎるシーンですね) これが信綱の時淀みとの相性が良く,無効化とまではいかないが,かなりいいセンまでいけるのだ。 常時発動の時淀みと違って,歯を噛んだ一瞬しか使えないのが弱点のようだが・・・。 正直,猿飛佐助が「京馬にくれてやった奥歯が熱い」と言ってるシーンで,「ケチだなぁ。死んだヤツもいるし,十蔵なんかは生きてるのに腕をくれてやってるんだぞ」と思ったものだが,これはすごいプレゼントだったわけだな。 (9巻17頁。腕や頭皮を失った方々に比べると,なんとなく軽いような・・・) ところで,気になるのが京馬の時淀み攻略法だ。 望月六郎の「忍法爆ぜよだれ」を空中にばらまいて,触れると爆発する液体火薬の檻に信綱を閉じ込めたところを「忍法奥歯噛み」の超加速で攻撃したのだ。初見のときはてっきり「時淀みの世界では,よだれがなかなか地面に落ちないから,檻になったのだなぁ」と思ったものだが,もしかして「爆ぜよだれ」自体が空中でとどまる能力があるのかもしれない。 これはそのうち,別の戦いで見えてくるかも。 話変わって,ついにタイトルの「七忍」が勢揃いしたようだ。
この七人はいまのところ,カクゴと波裸羅のように面識のある者もいるけれど,別に面識のない者もいる。 この七人で覇府,つまり徳川家康と戦っていくことになるのだろう。と,ここまで書いて思ったのだけれど,逆なのかな。「衛府」の,つまり幕府側の七人ということになるのか。幕府側だと桃太郎卿とか金太郎あたりになるのだろう。 気になるのがあぶれている魔剣豪の宮本武蔵と沖田総司である。彼ら魔剣豪については,どっち側の勢力につくかもわからない。次で物語が大きく動きそうだ・・・。 ・8巻感想 衛府の七忍 9【電子書籍】[ 山口貴由 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.07.03 11:01:15
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