カテゴリ:環境について
日経ビジネスのサイトより
自民総裁選の争点 「原発の新設・建て替えも考える必要がある」:日経ビジネス電子版 (nikkei.com) この記事の3つのポイント 1.データセンターや半導体工場で電力需要増の可能性 2.原発再稼働へ、政治主導で地元自治体と調整を 3.現状のエネルギー政策は燃料の視点が抜け落ちている 自民党は9月13日、総裁選の立候補者による共同記者会見を開いた。新政権が向き合う重要課題の一つがエネルギー政策だ。データセンターや半導体工場の増加により電力需要が増えるとの見方が出る中、原発再稼働など難題に直面する。エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表にエネルギー政策をめぐる現状や課題を聞いた。 エネルギーをめぐる日本の現状をどう見ますか。 松尾氏:エネルギー政策の大原則は「S+3E」です。「安全性(Safety)」を前提に「安定供給(Energy Security)」「経済効率性(Economic Efficiency)」「環境適合性(Environment)」を実現することがエネルギー政策が目指すべき姿です。 日本は残念ながら3つのE、すべてにおいて課題を抱えています。齋藤健経済産業相が定例記者会見で述べたように、現在のエネルギー政策は戦後最大の難所にあります。 重要なことは、安定供給が崩れてしまうと経済効率性と環境適合性も実現できないということです。電気料金が上昇し、再生可能エネルギーのコストも上がります。まずは安定供給を立て直す必要があるでしょう。 岸田政権のエネルギー政策をどう評価しますか。 松尾氏:原子力発電所の再稼働に向けて動いたことは高く評価しています。原子力発電の最大限の活用を打ち出したのは過去のエネルギー政策から見ると大きな転換でした。カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出実質ゼロ)時代の供給力確保という観点で非常に重要です。 個人的には賛成ではありませんでしたが、電気料金への補助金もエネルギー価格上昇による国民生活への影響を最小限に抑えたという意味では評価できます。ただ補助金は対症療法でしかありません。 9月12日に自民党総裁選が告示され、過去最多の9人が立候補を届け出しました。エネルギー政策も大きな争点の一つです。総裁選後の新政権に期待することは。 松尾氏:もはやエネルギー政策は取りうる手段が限定的です。今までの政策方針を変えればグリーントランスフォーメーション(GX)が前進したり国民負担が減ったりするものではありません。むしろ政治的にわかりやすい行動をとると、逆効果になります。 政権のリーダーシップが求められるのは、顕在化している課題に対してしっかり取り組んでいただくということです。原発再稼働、特に地元の立地自治体との調整は政治主導で取り組むべきテーマです。2050年以降を見据えると、原発の新設・リプレース(建て替え)も考える必要があります。 再エネの活用で原発への依存度を減らせるとの主張もあります。 松尾氏:「原発も、再エネも」というのがあるべき姿です。22年度の発電電力量は1兆106億キロワット時。そのうち太陽光発電は926億キロワット時、原子力は561億キロワット時。一方で石炭火力は3110億キロワット時、ガス火力は3413億キロワット時にのぼります。カーボンニュートラルに向けて再エネも原子力も増やしていかなければいけません。 日本の電力需要の見通しは。 松尾氏:電力需要の将来は不確実性が高いと理解しています。11年の東日本大震災後、省エネの進展などによって国内の電力需要は減少傾向が続きました。ここにきて世界各国で電力需要が増大する懸念が生じています。要因はデータセンターと半導体工場。特にデータセンターが非常に影響が大きいといわれています。 例えば米国の東海岸やテキサス州ではデータセンターによってすでに電力の供給量が足りなくなっています。一方で日本で電力需要がどれほどのスピードで増えるのかは議論の余地があります。 不確実性に対応した供給力の確保を 例えば北海道ではデータセンターや半導体工場が新設される可能性があります。 松尾氏:北海道の最大需要電力は569万キロワットでした。地元紙の報道によると、今後データセンターや半導体工場により120万キロワットの不確実な需要があります。全体の需要に対して不確実な需要の比率が高まっています。 供給力を大きくしても需要がついてくるかわからない。需要が伸びるなら送配電網も増強する必要がある。投資だけが先行すると過剰投資となり、後々電気料金の上昇に直面する可能性があります。 エネルギーの安定供給には何が必要ですか。 松尾氏:需要の不確実性に対応する供給力の確保が重要です。古い電源(発電所)は残しつつ、新しい電源を入れていく。古い電源は本当に需要が伸びなければ廃止すると。今はどちらかというと発電所のリプレースが多いですが、電源を増やさなければいけません。 私はガス火力の新設が必要だと思っています。増える可能性があるデータセンターなどの電力需要には(一定量を安定して発電する)ベースロード電源が必要になります。脱炭素電源の再エネと(発電量を)制御可能なガス火力の組み合わせが現実的です。 液化天然ガス(LNG)などの発電燃料は確保できるのでしょうか。 松尾氏:現状のエネルギー政策に燃料の視点が抜け落ちているのは否めません。もちろん(日本企業が余剰在庫を持つよう支援する)「戦略的余剰LNG」などである程度は対応しているものの、バッファー(余裕)がないのも事実です。 長期契約によるLNGの確保が重要です。日本の石炭火力発電所が使うオーストラリア産の高品位一般炭は枯渇が見え始めています。一般炭の不足を踏まえながら燃料の確保や電源構成を考えていく必要があります。 LNGの長期契約締結をどうすれば後押しできるのか。まさに今、その方法論について関係者の多くが悩んでいます。自由化と安定供給の両立をどう図るかという、非常に難しい問題です。 24年度にエネルギー政策の長期指針となる「エネルギー基本計画」が改定されます。 松尾氏:エネルギートランジション(移行)のシナリオには積み上げ型のアプローチと(目標から必要なものを逆算する)バックキャスト型のアプローチの双方が重要になっています。 前回の計画はバックキャスト性が強いシナリオの1本だけでしたが、1本では無理があります。民間事業の羅針盤と、政府としての決意を2本立てで示すべきだと思います。 松尾豪(まつお・ごう)氏 バイオマス発電大手のイーレックスやアビームコンサルティング、ディー・エヌ・エーを経て、2021年に合同会社エネルギー経済社会研究所を設立した。専門分野は電力システム・電力市場(写真=伊藤 菜々子) ------------------------私の意見------------------------------- 僭越ながら付け加えるとしたならば、次世代エネルギー水素を作るのにも大量の電力が必要になります。また一次産業、スマート農業や化石燃料に頼らない漁船のエンジンとなるとこれまた電力が必要となるわけです。そのために火力の増強となると、まさに地球環境につばを吐く行為と同じことになります。 水素・アンモニアでのクリーンエネルギー実用化までは少なくとも2050年以降になると思われます。それまでは再生エネと原発しかありません。しかし再エネは安定供給という面で未だに確実性が伴っていません。石炭火力でバックアップしている状態です。まずはそのバックアップを原発に変える必要があります。ですから再エネを普及したければ、バックアップ電源を原発するという政策が必要になります。 自民党の総裁選は好む好まざるという問題ではなく、日本の首相を選ぶ選挙なわけです。反自民の人たちでも自分たちの日々の生活に大きな影響を与えるわけです。 勝手にやってろとか、誰も支持できないなんて言ってる人ほど、政治には無関心、現状追認ということになります。原発に関しては私は岸田路線を高く評価してます。 本日の二枚目 ゴールデン・ハーフ 本日の二曲目 黄色いさくらんぼ ゴールデン・ハーフ あいち交通死をなくすボランティアにじいろ会|さえりん♥ストラップ (aichinijiirokai.wixsite.com) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.23 17:06:06
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