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Jun 20, 2005
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カテゴリ:マスメディア
今日のは、少し硬い。

最近日本で話題になっていると聞き、そのうち絶賛の書評もあちこちで目にするようになった本がある。外務省元主任分析官、佐藤優氏が著した「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」(新潮社)。日本から遠く離れたオタワでも、「この本を読まないか」と貸してくれる人がいた。良くこんな本を持っていたものだと感心して聞いてみたら、「子供の本だけ日本から送ってもらっても送料が割に合わないから、ついでに頼んだ。」とのこと。またまた感心してしまい、折角なので2回読んだ。

ここでは本のあらすじを書かない。この本を読んだことのない方々には恐縮なのだが、本のあらすじが分からなくても、このブログの内容は分かるように書くつもりだ。もちろん、実際に読んだ方がピンと来る。

Googleで「佐藤優」+「国家の罠」を検索すると、約19,300件ヒットする。相当数の書評、ブログ、コメントを読んだ。95%以上は「絶賛」であった。ひたすら褒めている。文章の分かり易さ、プロットの組み立て方、徹底して一貫した論理、感情を押し殺した冷徹な分析、話の内容の濃さ。とにかく「スゴイ」という形容詞がぴったりしている。極々一部の人だけが「この本の評価を下げるものではない」としつつ多少の疑念を挟み、極々一部の人だけがボロクソに批判している。

400頁弱と決して薄い本ではないし、鈴木宗男議員の国策捜査と日本外交の本だが、実際読み出すとぐいぐい引き込まれる。文章を書く能力は確かに卓越している。絶賛する人たちの気持ちがよく分かる。松本清張より内容が濃いのに読んで非常におもしろいからだ。おもしろさで言えば、私がこれまで読んだ本の中でもトップクラスであることは間違いない。しかし、である。

大多数の人が絶賛しているから敢えて違うことを言うというのではないが、私の読後第一印象は、「佐藤氏はアリバイ作りと将来の布石を完璧なまでに見事にやってのけた。」というもの。私情を極力押し殺して淡々と筆を進めることにより、自分はストイックな人間であるというトーンが本全体に行き渡っている。著者は第一審で執行猶予付き有罪判決を受け、即日控訴した裁判中の身なのだが、この本は自己防衛のためではなく、あくまで事実を白日の下にさらす意図の下に書かれたという印象を読者に与える。多くの書評を見る限り、佐藤氏の「意図」はほぼ完璧に受け入れられたかのようだ。彼は読者を味方につけてしまった。読者の中にはマスメディアの人たちも相当数含まれているに違いない。これだけ騒がれれば、裁判官だって読むに違いない。読んだら必ず影響を受ける。読まなくても世論から影響を受ける。佐藤氏は国策捜査の犠牲者に過ぎないという国民的イメージができあがってしまうと、今後の裁判の行方に少なからぬ影響が及ぶからだ。

私には本に書かれている内容の真偽を確かめる術はない。ただ、それが真実であろうとなかろうと、全てが真実だと思わせる筆致、そして全てを計算し尽くして書きながらその臭いを殆ど出さない筆致に驚かされる。私はこの手の本は鵜呑みにしない癖がついているので、こんなことを書いている。こんなことを書く人がなぜこんなに少ないのだろう。こんなところに日本社会の危うさを感じてしまうので、敢えて書いた次第である。





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最終更新日  Jun 21, 2005 01:28:50 PM
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