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2009.09.09
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今日は関信越税理士会主催の全国統一研修会でした。

専修大学大学院法学研究科教授で法学博士の増田英敏先生の講演で、テーマは「税理士実務に活かす租税法の基礎理論―紛争予防のためのリーガルマインドの養成を目指して」という内容でした。

遠い昔の税理士試験では、計算と記憶のみが勝負の世界でした。

しかし「計算と記憶」部門はPCソフトの成長により税理士業務もだいぶ効率を高めてきています。

そして実務では、教科書通りの取引ばかりではなく判断に苦慮する難問も登場します。

その時の解をどう解くか。

計算と記憶に加えて、法的三段論法により整理して判断処理していくことはプロとして必要不可欠なスキルとなるわけです。

税法をきっちりと記憶するのは税理士試験でしかありません。

この記憶した条文を法的思考により論理的に展開して問題解決できるのは、税理士だけではないでしょうか。    

しかし租税法を法的に思考していく能力は税理士試験では培われないでしょう。

税理士が説得力のある出廷陳述権を行使していくためにも「リーガルマインド力をもっと鍛えないと」となぜか意気込んで帰宅してまいりました。

今回の講義は、講師の増田先生から会場の受講者に質問の投球があり、意表をついたスタートでしたが、

講師と受講者の質問・回答というちょっとしたキャッチボールがあって会場全体にほんのり一体感を感じた研修会でした。

ところで、租税法律主義は、憲法30条と同84条を根拠とし、国は申告納税制度のもと国民に対して法律の根拠に基づいて課すべきものとして、恣意的な課税を阻止しているとの説明がありました。

すなわち税法は国のためにあるのではなく国民・税理士のためにあるとのお話で至極ごもっともと思うのですが、

特殊支配同族会社の役員給与の一部損金不算入(法法35条1)の規定はどう解釈するのでしょうか。

これも国民のため?

衆院選挙で民主党が勝利してこの法律の廃案がManifesto2009に盛り込まれていますが、政党が変わると法律が変わる法律って・・・。

ちょっと頭をよぎったことでした。



清水 七都子






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Last updated  2009.09.09 08:28:51
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