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ノルマンディーに連合国軍が上陸を開始した。
コルティッツ将軍は「連合軍の進攻と同時にパリを焼き払え」という、ヒトラー総統命令を受けていた。 8月25日、連合軍がパリ市内に入った。 ノートルダムの鐘が響き渡り、パリ市民は狂喜して町に溢れ出した。 命令に従わずに連合国に無条件降伏し、パリを破壊から守っていた。 コルティッツ将軍の部屋の受話器から、甲高いヒトラーの声が叫んでいた。 「パリは燃えているか!」 と 私のチャクメロが奏でていた。 顧問先の社長からだ。 私は通話ボタンを押して携帯電話を耳にあてた。 ふと バックミラーを見上げると 赤色ランプがクルクル回っている。 ネズミが 言った。 「大事なお仕事の電話ですか」 「どうぞ そのまま 話していてください」 「免許証 預かります」 若いネズミが 丁寧に丁寧に 言葉をかけてきた。 「一点です減点です」 「違反切符切ります。 1月6日までに支払ってください」 また 私のチャクメロが鳴り出した。 私は ネズミを無視して 通話ボタンを押した。 「パリは燃えているか・・・・・・」 叫びたい気分だった。 今日は これから 大掃除。 今年の 悪運を きれいに 洗い流すとしよう・・・・ 安西節雄 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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