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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
「動いている車の中で本は読まない。やめなさい」
と中2の弟が高1の姉に言う。 「目に良くないでしょう。」 うちは弟の方がしっかりしている。毎朝、家族全員を、私の車で送っていくのだ。 姉いわく 「ちょうどみんなをあつめた所なのに」 姉は「金田一少年の事件簿」の小説版を読んでいたのだ。 そう、推理小説の解決の場面になったのだ。 で、車内では、 名探偵 みなを集めて 「さて」と言い と言う川柳がどこから来たかで、しばし盛り上がりました。 「このミス」で読んだのではないか、と言う、かみさんの説が最も確からしい言う結果になりました。 川柳自体は、大昔からあったとは思いますが。 「このミス」から、知った作家と言えば、私にとっては真保裕一。大傑作、「ホワイトアウト」。これは、映画も良かった。読んだことがある人も多いはず。 今回の紹介は、面白さだけで押し切った「奪取」 偽札作りの話です。 やくざからの借金返済のために、最初は、機械(両替機とか、キャッシュディスペンサー)をだます程度なのだが。 妙なじじいが出てきてからは、技術や精度がどんどん向上していく。 もっとも、難しい問題は紙。印刷は何とかなるのだが、紙を作るのが難しい。人間は手触りで、すぐ、偽札を判別してしまう。 それを解決するために、主人公のとった方法は。 真保裕一はデビュー作の「連鎖」以来、<小役人>シリーズで、徹底した取材によるデテールの積み重ねで、リアリティーのある話を、書いてきました。 ところが、この「奪取」では、細かい部分の材料が、リアリティーより面白さの方に振られているのです。 あんまり考えたくない時、すかっとしたい時、読むべし。 ※1 「「金田一少年の事件簿」 金田一少年には漫画のノベライズではなく、 純粋な小説版があるとのこと。(これは、ねーちゃんの話) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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