|
テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
かみさんが、「黄泉がえり」を見ていました。映画からビデオになったころ。
なんとなく、パッケージを見てみると。 原作が梶尾真治ではないか。カジシンである。懐かしいではないか。 かみさんに、「カジシン読んだことある?」と、聞くと、 「”サラマンダー殲滅”がその辺にあったはず」とのこと。 第12回SF大賞受賞作だが、今ひとつピンと来なかった。(スペオペ好きにはピンと来るのかしら?) カジシンは、短編作家だと思っていた。ところが、何年かご無沙汰しているうちに、長編の方も素晴らしい作品がいっぱいあるらしい。 らしい?そう、未読なのです。 未勉強を棚に上げ、今回は「地球はプレイン・ヨーグルト」 短編集。 「フランケンシュタインの方程式」「美亜へ贈る真珠」「清太郎出初式」「時空連続下半身」「詩帆が去る夏」「さびしい奇術師」「地球はプレインヨーグルト」 私が好きなのは、「美亜へ贈る真珠」 航時機、その内部だけ、時間経過が8万5千分の一になるタイムカプセル。外の世界が一日経っても、中は1秒しか立っていない。 このアイデアが秀逸。未来に現代を伝えるために、航時機に乗り込んだ青年は、時間経過が遅いため、動かない彫像のようにしか見えない。 だが、生きているのだ。 そして、彼を見に訪れてくる女性。 素晴らしい話に発展しそうな材料。 そして、美しい文体と詩情。 期待を裏切らない傑作。 もう一つ「清太郎出初式」 あのウェルズの火星人襲来が日本でもあったという話。 で、このアイデアは、題名は思い出せないけど、横順にもあった。どういう経緯で2人が書いたがわからないが、話の処理は、全然違って両方おもしろい。もしかして、「方程式」とか「タイムマシン」のように、みんなが書いているアイデアなのかな。 表題作「地球はプレイン・ヨーグルト」も、懐かしい切れ味の良いアイデアSF。読んで、損のない一冊。 ※1 ビデオを見るより前に、「黄泉がえり」を読まなくちゃ。 ※2 「地球はプレイン・ヨーグルト」を読んで損のない一冊と書きましたが、 手に入りにくいようです。 「フランケンシュタインの方程式-梶尾真治短篇傑作選 ドタバタ篇」 に収録されています。 ※3 同じく、「美亜へ贈る真珠-梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇」もどうぞ。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。よろしくお願いします。 バックナンバーはこちら 人気blogランキング ←1日1押し有効です。よろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[あの本、おぼえてる?] カテゴリの最新記事
びっくりしました。
今、イベントで使うために聴いている曲が、千住明り「黄泉がえり」の挿入曲です。 いつの間にか10000ヒット超えられたそうで、おめでとうございます。野球なら2000ヒットで名球会入りですが、さしずめここでは迷宮界でしょうか。つまらない駄洒落ですみません(^^ゞ (2005.05.21 23:36:44)
エヴァーラスティング・ドリームさん
>びっくりしました。 > >今、イベントで使うために聴いている曲が、千住明り「黄泉がえり」の挿入曲です。 > >いつの間にか10000ヒット超えられたそうで、おめでとうございます。野球なら2000ヒットで名球会入りですが、さしずめここでは迷宮界でしょうか。つまらない駄洒落ですみません(^^ゞ ----- おもしろいですね。 わたしは、出来事の全てがつながっているとか、全てが偶然とか、わかりませんが。 何かがあるとは思っています。その方が楽しいし。 迷宮界、おもしろいところですね。 (2005.05.22 00:09:17)
りびんぐすとんさん
>一億ヒットをゲットするために航時機の中で待機してますねー♪ > >梶尾真治短編傑作選、また買いたい本が増えてしまった…(五右衛門風に) ----- ありがとうございます。 1万ヒットはうれしいのですが、数ばかりにとらわれてはいけないと、思って、次は、1億ヒットを目指すことにしましたが。 航時機の中で待たれるとは思わなかった。 (2005.05.22 00:11:33)
「地球はプレイン・ヨーグルト」は、高校生の時に、早川文庫で読みました。
何回も読んで、友達にも貸して、ぼろぼろになりましたね。 高校生の時にこんな短編集に出会えたことを幸せに思います。 高校生の時にこの本と同じくらい読んだのは あと森下一仁の「コスモス・ホテル」でした。なつかしいなあ。本棚探してみます。 (2005.05.23 19:00:02)
ぱぴ1729さん
>「地球はプレイン・ヨーグルト」は、高校生の時に、早川文庫で読みました。 >何回も読んで、友達にも貸して、ぼろぼろになりましたね。 >高校生の時にこんな短編集に出会えたことを幸せに思います。 >高校生の時にこの本と同じくらい読んだのは >あと森下一仁の「コスモス・ホテル」でした。なつかしいなあ。本棚探してみます。 ----- 良いですよね。デビュー作は傑作になるんですね。新人が、最初に載せてもらうためには、相当のレベルが必要ですからね。 森下一仁は未読です。よみたい~。 本を紹介すると、紹介が帰ってきて、未読本が貯まっていくのだ。 (2005.05.23 19:45:18)
”サラマンダー殲滅”は、彼の代表作じゃないですよね。
軽妙洒脱な文章と、あったかいキャラクターで、北九州のSF同好会「てんたくるず」の高校生時代からスターでした☆ いつまでも、センスオブワンダーあふれるロマンティストなのが、頼もしい存在ですよね。 (2005.05.25 01:42:52)
はるる!さん
>”サラマンダー殲滅”は、彼の代表作じゃないですよね。 > >軽妙洒脱な文章と、あったかいキャラクターで、北九州のSF同好会「てんたくるず」の高校生時代からスターでした☆ > >いつまでも、センスオブワンダーあふれるロマンティストなのが、頼もしい存在ですよね。 ----- はるる!さん 何で、そこまで知ってるの?すごいなー。 SFの第二世代の中では、山田正紀とカジシンが がんばっている気がしますが。 不勉強で、断定はやめましょう。 とにかく、もっとおもしろい作品を読もう。 (2005.05.25 01:52:05)
tuitelさん
>森下一仁は未読です。よみたい~。 なんていっていただくと、ほんと、うれしいなあ。 「コスモス・ホテル」は、「かなへび」の話です。「かなへび」ですよ。「とかげ」じゃないんです。あと「シナモン・・・・」がなんとも言えません。題名、失念してますけど。 (2005.05.27 23:50:40)
ぱぴ1729さん
>tuitelさん >>森下一仁は未読です。よみたい~。 > >なんていっていただくと、ほんと、うれしいなあ。 >「コスモス・ホテル」は、「かなへび」の話です。「かなへび」ですよ。「とかげ」じゃないんです。あと「シナモン・・・・」がなんとも言えません。題名、失念してますけど。 ----- あっ、「かなへび」の話、読んだことあります。 たぶん、雑誌に載った時だと思いますが、 他に「かなへび」のSFがあれば別ですが。 わー、内容はキレイに蒸発しています。 気になるな。捜しに行きます。 (2005.05.28 21:16:06) |
|