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テロを防ぐためには、「人道的な」拷問が認められるのか。
こんなテーマが週一のドラマになるのだから、さすがにアメリカのドラマは違いますね。 ただ、SVUは他にもっと捜査すべき事件、解決しなければならない事件があると言う気はしました。「JAG」でだったら取り上げても良かったかも知れませんね。 セントラルパークで女性の刺殺体が見つかる。胸を一突きされ、レイプ事件が疑われた。持っていた図書カードから、被害者は高校の進路指導をしているケイト・サイムズと判る。レイプの痕跡はなかった。 腕に何か伝染病のような病変があり、国内では希なリーシュマニア症だったため、渡航歴を調べる。 ケイトは学校に嘘を付いて、中東に旅行しており、トルコからイラクとの国境地域に向かったことが判った。母親によると、大学時代にアラビア語を習っており、女性難民センターで通訳の仕事をしていたという。 センターでは2日前にPCを盗まれ、ケイトが担当の難民のバックアップデータを持ち歩いていたというが、被害者の持ち物の中にはそのデータがなく、盗まれたと思われる。 ケイトはハルーン・アバスという男性と何度も連絡を取っていたというので、自宅に向かうと、妻がアバスが昨夜死んだという。 アバスはタクシー運転手をしており、昨夜人と会うと言って出て行って、心臓発作で死んだと言われたという。しかし、アメリカ政府に殺されたのだと訴える。 夫妻は最初の湾岸戦争でアメリカに協力した関係で、亡命した。911の多発テロ事件の後、アバスは政府によってイラクの収容所に連れ去られ、拷問を受けて心と体を壊したという。その後、友人の手助けでアメリカに戻ったが、ケイトのことは知らないという。 ワーナー検死医は、アバスの体に明確な傷はないが、軍による拷問の特徴が見て取れると指摘する。 アバスのタクシーの中から拷問被害者向けに診療所を開いているアルビン医師の名刺が見つかり、話を聞く。アルビン医師のセッションビデオでは、アバスとケイトが拷問された様子などを話していた。ケイトはセラピーの一環としてアバスに回顧録を書かせ、そのための取材でイラクに行ったという。「回顧録」は職場のPCに保管されていたが、誰かがそれを辞めさせようとしたのか。 一方、アバスはNYのカフェで拷問を行った人間に出会ったと漏らしていた。ドライバーが良く集まるカフェで話を聞くと、男女のカップルを見てアバスは急に体調が悪くなり怯えて吐いたという。カップルの女性の方がアバスを介抱しようとしたが、アバスは出て行った。 その女性は医師のフェイス・サットンだと判る。サットンは一緒にいた男性は軍時代の仲間のジョージ・トムフォードだという。 SVUがトムフォードの自宅に向かうと、すでに空で、トムフォードは姿を消していた。トムフォードは陸軍特殊部隊の所属で、除隊後イギリスのヘリオス防衛産業という、傭兵の会社に勤めていた。この会社は国防省のイラクで最大の請負会社だという。 NY支局長にトムフォードの個人ファイルを提出させるが、捕虜の拷問ではクレームが出ていた。サットンもヘリオス社の顧問で、イラクでの尋問に立ち会っていた。 サットンによると、身体的に苦痛を与えるのではなく、ストレスを与えて精神を弱らせ、情報を得るという「人道的な」尋問方法を確立したという。 Dr.ホワンはサットンの功績を評価するが、Dr.ワーナーは真っ向から反対する。 サットンにブレイデン弁護士が付き、トムフォードはヘリオスによってすでに国外に出てしまっているので事件の解決は難しい。 しかしSVUはこのまま放置はできず、サットンを過失致死で起訴することにする。サットンが考案した尋問法は数カ国の医師が取り入れているという。実際に拷問を受けた被害者の証言も得た。 相手側はイラクでの尋問が原因で、イラクではサットンの尋問法は合法だったとして裁判権無効の申請をするが、判事は裁判をすることを認める。 裁判ではアバスのセラピーの様子などが証拠として出され、弁護側は身体に損傷を残さない尋問方法だと強調する。サットンは、国を守るためには何よりも情報を得るのが必要だと正当化する。 途中、陪審員が心不全で倒れるアクシデントがあり、審理無効になってしまう。 ワーナー検死医は、最後の手段として医療評議会にサットン医師の行為を通報し、医師免許の剥奪を問うという。 審問では、サットンはイラクでは科学顧問として参加していたため、医の倫理とは無関係だと主張する。しかし評議会はイラクでは何をしても良いとは言えないとして、免許を剥奪する。 ワーナー検死医も、戦争時でもヒポクラテスの誓いは揺るぎないという。 そりゃ、どう見ても後ろ手に縛って頭には袋をかけ、裸に近い状況で気温5度の中に1~2日置く、氷水に浸けるというのは拷問でなくて何なのだと思います。普通に死にますよ。 しかも、収容所では人間の尊厳を破壊するような虐待や脅迫が日常的にあったという。 サットン医師の冷酷さはそれこそ、メンゲルと言われても仕方ないと思いました。 彼女にもジレンマがなかったとは言えないですが、国家にとって情報を得るためには手段は選ばずと、政治家みたいな事をいうと、やはり医師の倫理は捨てたと思わざるを得ないですね。 しかし、SVUとしては、真実を暴かれるのを恐れて2人も殺したトムフォードについては、外国へ行ってしまって何も出来ない、会社に対しても無力というのが何とも歯がゆいですね。 サットンについても、医師免許がなくても科学者の立場でこの先も活動できる、しかも海外なら問題ないとすると、「なんだかな~」で終わったエピソードでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 31, 2011 10:47:08 AM
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