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カテゴリ:The Closer(クローザー)
『最終決着』
シリーズ・フィナーレ。 7年前、陰惨な殺人現場に「誰だ、こいつ」という出迎えの中で登場したブレンダ・リー・ジョンソンは、反感を示す部下たちと篤い信頼関係を築き、巧みに自白に持ち込む技で事件を解決してきた。 一見、世間知らずのお嬢様に見えた彼女が、事件を解決するという強い信念は誰にも止めることができず、もちろん、その頑固さ故軋轢やトラブルも引き起こしたけれど、ブレンダらしい信念を貫いたエンディングでしたね。 一つの仕事(ドラマ制作の面でも)としても、きれいな終わり方だったと思います。本当にキーラは立派だわ。ありがとうと言いたいですね。 グリークシアターの裏山に女性の死体を捨てている男を見たという通報があり、市警が探したところ、3人の女性の遺体を発見、まだ2体があるという。 被害者はレイプされ、首を絞められていて、はぎ取られた衣服が遺体の上にあった。 通報に使われた携帯は不動産業のダグラス・グラントの登録で、丘の下のゴミ箱に捨てられていた。 最も新しい被害者は犯人が急いでいたのか、IDが見つかり、UCLAの学生カレン・オンシディと判る。掘られていた穴は2日以上前で、前もって準備されていたらしい。 現場に犯人以外の人間の足跡があり、一方が一方を追いかけていることが判る。 足跡を辿ると、犯人とは別にカップルがいて、一人は道路の方へ逃げ、一人は犯人に追われて崖から落ちたらしい。そこで、命拾いして通報したが、通報者は少年らしい。 携帯の持ち主グラントは、昨夜レストランで携帯を奪われたというが、現場に忘れていった上着や相手のタンクトップなどから、性犯罪の可能性があると追及すると、ラスティと名乗る少年をサンセット大通りで買ったと認める。ラスティは18歳だと言っていたという。 一方、被害者のカレンが死亡する直前にショッピングモールで香水を買っており、監視ビデオに写っていた。ブレンダはカレンに声をかけている男の後ろ姿を見て、執念を燃やして追っていたストロー弁護士に違いないという。 しかし、ストローであると確定できる証拠が何もなく、捜索令状を要求できない。 銀行口座とストローの電話履歴を調べたいというブレンダに、レイダー警部がブレンダの捜査を監視する条件でポープが捜査を認める。 フリッツは、4人目の被害者は衣服などから、女優志望のアンナ・シルズではないかという。 アンナは失踪直前にカメラマンからモデルにならないかと声をかけられていた。 今のところストローとの接点は見あたらず、ストローはこれまで一切のDNAを残していない。 レイダーはそれでも捜索令状が欲しければ判事に要求すればよいという。 路上で逮捕されたラスティ・ベックは、実際は16歳で里親の家から逃げ出していた。 そうなったのは里親が暴力を振るうからで、そもそも母親が自分を置き去りにして恋人と出て行ってしまい、警察は母親を捜してくれないという。 口達者なラスティは母親を捜してくれたら警察に協力しても良いと言う。 ブレンダは犯人に追われてもみ合った時にラスティが犯人の目出し帽を奪った事に注目し、犯人にラスティが生きていると知らせるため、逃走後、通報した時の写真を偽造してマスコミに流す。 ラスティをおとりにして道に立たせると、やがてレンタカーを使ってストローが現れる。ラスティに声をかけた段階で逮捕するが、ストローはブレンダの尋問を悉く切り抜ける。 弁護士だけにこちらの手の内を知っており、目出し帽のマスクからDNAが出たという誘い水にも嘘だと言う。ストローは捜査令状が取れない事を知っていてもう帰ると席を立つ。 ブレンダは帰り際、ストローが母親の死について触れた瞬間に、思わずストローに飛びかかる。 2人きりでエレベーターに乗り込むと、顔をぶつけて血を流したストローの顔を掴む。 すぐに2人は引き離されるが、ブレンダはその足でDr.モラレスのところへ行き、停職は必至、解雇されるかもしれないが、手に付いた血液を証拠品の目出し帽に仕込んで欲しいと頼む。 地方検事のホッブスに、尋問でストローを揺さぶるために証拠を使えば、きっとストローは取引を申し出てくるだろうという。 DNAを基に起訴する事はないし、逮捕もしないがこれでストローを葬る事はできる。 ホッブス検事は了承し、さらに検事局捜査部で新たなチーフを探しているので来ないかと言う。 ブレンダは部下を連れて行っても良いかと言い、考えてみると答える。 ラスティを家につれて戻ったブレンダは、世話をしながら証言してほしいと頼む。 ストローはきっとラスティの命を狙うだろう、それに母親を捜すのは時間がかかる。 しかしラスティは先に協力したら取引にならないと言い、日頃悪人を相手にしているから大丈夫と強がる。 しかし、そうは言っても次第に自分も悪に染まっていくような気がして怖い。母親に自分も変われるというところを見て欲しい。そもそも、ブレンダは捜査のために自分を利用しているだけではないか。 ラスティの言葉の一言一言がウィリー・レイを亡くしたブレンダの心に突き刺さり、席を外したブレンダだったが、バスルームの窓が外されているのに気付く。 フリッツは出張中で、用心して部屋に戻るがすでに侵入したストローがラスティの喉にナイフを突きつけていた。 ストローを落ち着かせようと、ブレンダはホッブス検事の手の内を教えるが、隙を見てラスティが反撃し、逃げられたストローはブレンダに襲いかかる。 ブレンダは必死で抵抗し、カバンの中の銃に手にすると、ストローに向かって撃つ。 ブレンダは不法侵入でラスティを傷つけ、撃たれたのは正当防衛であるとストローに認めさせた上で、とどめを刺さずに通報する。 エレベーターでストローに暴行した件でブレンダは懲戒処分の対象とされるが、不当な処分であると訴え、間に入ったレイダーを困らせる。 ブレンダはラスティの処分をレイダーと部下たちに任せ、退職を決めたという。 テイラーは重大犯罪課はポープの昇進と共に再編成され、レイダーには重要な話があるだろうという。 ブレンダは検事局にガブリエルを連れて行く事にして、7年間共に働いた重要犯罪課のメンバーに別れを告げる。 途中の演出がちょっと古くさいというか、ダン、ダン、とブレンダの心に言葉が突き刺さるというシーンは判りやすいですが、今回に限った感じで違和感はありました。 でも、ウィリー・レイの死で弱っているブレンダには、ラスティの言葉はダイレクトに響いたのでしょう。また、ラスティ役の子が上手かった。 どうやらMajor Crimesにも出るみたいです。 ストローが証拠を一切残さず、平然と犯罪を続けていられるというのは信じられませんが、それくらい犯人を自白させる、有罪にするのは難しいということなのですね。 ブレンダの捜査は強引に見えますが、結局は捜査過程を記録に残し、裁判で負けないように万全を尽くしていました。 「クローザー」のこういうところは、正義が悪を倒すという単純な刑事ドラマではなかったなと、思います。もちろん、ベテランの役者たちが見せるユーモラスなエピソードも楽しかったですが。 家族の話題もしんみりさせられたし、手を抜いた感じのないシリーズでした。 それにしてもストローを相撃ちになっても倒すと決めたブレンダは凄かった。 射殺することもできたが、そこは憎しみのままに殺さずに法の手に委ねたということですね。 女性の連続レイプ事件については自白したのでしょうか。 少なくとも警官への殺人未遂と傷害で相当な罪で裁かれる事になるとは思いますが。 ブレンダはLAから去るわけではなく、近くにいるという事なので「Major Crimes」でその後のブレンダの話題も出るのでしょうね。 別れの言葉は「まるで愛の証しのようね(It looks like love)」でした。 これは登場時の最初の言葉と同じ。あの時は「愛情のもつれのようね」でしたが、同じ言葉が違う意味をもつというのが、吹き替えでは判らないところです。 第1話でDing Dongと言われるケーキを口にしてうっとりしたブレンダは、やはり最後でもそれを口にしました。チームのメンバーのファーストネームを一人一人呼んだり、これが本当にお別れなのだなという感じでしたね。 寂しいけれど、残った人たちはまたその愉快な雰囲気で、今度は生真面目な人柄のレイダー警部を戴いて、次のシリーズで盛り上げてくれそうです。待ち遠しいですね。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 14, 2013 05:59:10 PM
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