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カテゴリ:NCIS~ネイビー犯罪捜査班 S20-
『パパ友』
先週が「家族の事情」で今週が「父親問題」、何だか内向きな印象がしますが、その間に「NCISハワイ」とのクロスオーバーで盛り上がったのなら、こういう展開になるのかな。 それにしても、子供をきっかけに父親同士仲良くなりましょうというのは、少し古いような気がしました。 家族の形はいろいろなので、一くくりに「親(おや)友」で良いような気もしますが。 政府の厳重に管理されている貯蔵庫で、男が死んでおり、たまたま議員の秘書による視察のため中に入った下士官が確認しようとすると、隠れていた覆面の男に殴られ逃げられてしまう。 現場で検視を行ったパーマーは、死後36時間以上経っているという。 死んだ男と逃げた男は何らかの理由で貯蔵庫に入ったまま閉じ込められ、ドアが開くのを待っていたとみられる。 秘書は逃げた男は白人で足を引きずっていたと証言する。 セキュリティ万全の貯蔵庫に不法侵入の痕跡はなく、正式に入ったとしてもその記録がなかった。 倉庫の中には国家の安全にかかわるものがあるので、入ってはならないという秘書を押し切って、金庫を開けると、何とそこには大量のチーズが保管されていた。 ヴァンスには議員から見たことを口外してはならないと念を押される。 しかし侵入した2人はチーズを盗もうとしたのではなく、別の倉庫に保管されている武器を盗もうとしたのではないか。 死亡した男は窃盗などの罪で前科があるタイソン・パーキンスとわかる。 タイソンに乳製品に対する特殊なアレルギーがあったのが死因と考えられる。 ケイシーは施設のセキュリティシステムのコードを調べ、入口の扉を記録を残さずに開けるには、プログラムを開発した者が持っている暗号キーがなければ無理だという。 しかも、このシステムは非常に高度で洗練されており優秀だ。 セキュリティ会社の情報によると、主任開発者はカーター・ランデグリフとわかる。 マクギーはカーターは自分の子供たちが通う学校でボランティアとして、駐車場の世話をしているおしゃべりで、マクギーの仕事に興味がある男だと気づく。 マクギーがカーターに声をかけ、NCISに同行を求めると、目の前でカーターの車が爆発炎上してしてしまう。 それでもカーターは屈託なく、NCISの取り調べに応じ、貯蔵庫のセキュリティアルゴリズムを見て自分のものだと認める。 泥棒に暗号キーを渡すはずがないというカーターは、友達にPCを貸したと明かす。 実は最近暗号通貨で大金を盗まれ、友人がそれを取り戻してくれるといった。 友人とはキングストン・ラインハートというギャングで、ラインハートが自分を裏切るはずがないという。 カーターの車にも爆弾がしかけられ、プロの仕業とみられる。 ラインハートは武器の窃盗や密売、使用などの前歴があり、今回の泥棒として疑わしい。 マクギーはカーターの命が狙われたと見て、犯人逮捕まで身柄を保護することにする。 しかし、そのラインハートが心臓発作で死んだという。 葬儀直前の遺体をパーマーが調べると、タトゥに紛れるように注射した痕があった。 そこに、ラインハートの親族のジュリアンが姿を見せ、身体の特徴から貯蔵庫から逃亡した男ではないかと詰め寄った。 ジュリアンは伯父の友人カーターのために、貯蔵庫に武器を盗みに入って間違い、閉じ込められてしまったと認める。 ラインハートとカーターは親しく、自分にとってラインハートは父親同様だった。 伯父はカーターが盗まれたと主張する金を取り戻すつもりだったというが、カーターこそ学校の金を盗んだのだという。 マクギーはカーターが嘘をついたと知り、厳しく取り調べることにする。 カーターはボランティアでマクギーの子供も通う学校のラボ設立のための寄付を募っており、50万ドルを目指していた。 しかし、資金はなかなか集まらず半分の25万ドル集まったところで、さらに集めるためその金を暗号通貨に移したのだが、盗まれてしまった。 カーターの車を狙ったのはジュリアンではないと信じたマクギーは、カーターのPCがあれば暗号通貨の口座を調べられるという。 ただ、PCは見つかっていない。 カーターは同じ保護者の一人で、爆破事件の日近くで見かけたオーウェン・ベルフォードに投資の相談をしたことを思い出す。 オーウェンには不動産投資で約30万ドルの損失があった。 パーカーは証拠を揃えてからオーウェンに立ち向かうべきと言い、姿勢が良いことから、姿勢の崩れを検知して知らせるデバイスのことを思いつく。 このデバイスは、コードにセキュリティホールがあることをマクギーが調べていて、近くにいれば姿勢のデータを携帯に知らせるときにデータを盗むことができそうだ。 事件当時のオーウェンの位置がわかるという。 オーウェンのSNSには今夜自宅で父親保護者の集まりがあることがわかり、マクギーが参加することになった。 他の保護者との付き合い方に悩むマクギーに、ヴァンスは交流を深めてこいと送り出す。 「ファンタジーボール」について語り合うイベントと思いきや、オーウェンは理想の父親像について語り合おうという。 マクギーは素直に話すことができずデバイスの電波を切る。 意外にもオーウェンは良識のある社会人だとわかり、マクギーは他の父親からはお高くとまっているという評価を受けた。 オーウェンの携帯情報から、カーターの殺害未遂容疑はなくなった。 カーターの暗号通貨口座の取引から盗んだ犯人を絞り出すには、やはりカーターのPCが必要だ。 結局、カーターはクセがあるが善良な人間で、気さくに腹を割って話すことが情報を聞き出すきっかけになると考え、マクギーは世間話を始める。 他の父親たちの話をしている間に、カーターはPCを操作するのはジュースバーの周囲に誰も客がいないときだとわかる。 マクギーは客ではなく、オーナーのサムが怪しいと見て、カーターが雑談で捜査情報を漏らす。 慌てたサムが逃亡しようとしたところで、NCISが逮捕する。 サムことハンス・ビジュル・ストロムはストックホルムで巡査をしている時、2名を殺してアメリカに逃げてきた。 店のインターネット回線で客のPCの情報を盗み見ているうちに、25万ドルの暗号通貨のことを知り盗んだが、カーターがギャングの友人に相談したことから怖くなり、車に爆弾を仕掛けてラインハートに罪を着せようとした。 事件は解決したが盗まれた金は戻らない。 マクギーはカーターにハンスが盗んだ金を自分の口座に移した先を見つけ、52万700ドルだったという。 いろいろ裏で手を回して、寄付金の目標を達成することができそうだ。 マクギーは次回はカーターと共同で委員長になるという。 ダ・ヴィンチというほどのセキュリティのプロの脇の甘さが、全体の緩さに通じていると感じます。 善い人だというのと、仕事の質は関係ないのかもしれませんが、ありえないよな、と思います。 暗号キーを盗んだ男も相当なプログラミングの技術があるのでしょう。 そういうモヤモヤしたのをなごませるためにか、同世代のパパたちとあまり上手く交流できないマクギーがちょっとした話(small talk)を試みるというのを絡ませていた。 聡明なマクギーには苦もない事のように思いますが、今回はいろいろと感じるところがあったようです。 まあ、子供の成長と共に親も成長しますので、これまでとは違うマクギーの姿を見ることができるのでしょうね。 アメリカではPTA活動も本格的でしょうし。 というか、ボランティア精神に基づくPTOという組織のほうが主流なんですね。 マクギーの学校もそっちかな。 冒頭の政府が密かに余剰チーズを貯蔵していることに驚きを感じたり、税金を使って!と不満に感じたり、そういうところはリアルな感じで興味深かったです。 ナイトのチーズのギャグ「no gouda」はよくわかりませんでした。 ゲイリー・コールの「The West Wing」ネタとか、モンティ・パイソンのスペインの異端審問とか、すっと笑えるのがアメリカ人なのでしょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ギャングの甥の「叔父はグッド・ガイだった。」というセリフのまま、逮捕シーンがなかったのでダマされそうになりますが……そもそものNCIS案件=政府の貯蔵庫への侵入&武器強奪未遂犯は叔父ギャング&甥たち……で捜査終了ですよね??
途中で被疑者の自動車爆破という事件があり、それがマクギーの関係者だったことで、ギャング甥の逮捕後も公私混同的にズルズルと捜査を続けましたが……爆破&カネの問題は地元警察に引き継ぐべき案件かな。 この捜査は……まぁ、NCISから遠めの謎解きだったので…… 捜査そのものではなく、細部のセリフにこだわってみました。 >ゲイリー・コールの「The West Wing」ネタとか、 >モンティ・パイソンのスペインの異端審問とか、 >すっと笑えるのがアメリカ人なのでしょうね。 「The West Wing」は、ちょっと古い程度ですから、ゲイリー・コール好きでなくても理解できるでしょうけれど……冒頭から、古~~~いモンティ・パイソンのネタ。アメリカでは、今も再放送されてるのかなぁ?? BBCが1970年に放映して有名になったセリフが「Nobody expects the Spanish Inquisition!」……15c.~のスペインでのInquisition=異端審問=宗教裁判(魔女狩りを含む)は過酷な大弾圧の代表で、イチャモンつけては拷問~火あぶり、だったようです。 1980年代の映画版『スタートレック4 故郷への長い道』で、カーク船長らが20世紀にワープした時、あまりに「原始的」な20c.医療を見てDr.マッコイが発した言葉が「スペインの異端審問か!」だったそうですが……これも、「モンティ・パイソン」ネタなのでしょうか?、単なる歴史知識の蘊蓄なのかな?? 加えて、josetangelさん用のトリビア…… 「バフィー the Vampire Slayer」で、バフィーの妹=ドーン・サマーズのセリフ(シーズン7の第6話)では、まぎれもなくthe Spanish Inquisition「モンティ・パイソン」ネタが使われたそうです。 頑丈な倉庫に入る時のナイトのセリフ=「Lead the way, Nic Cage.」は…… ニック(トーレス)への呼びかけだから「洒落」になっているわけで、字幕では困ったでしょうね。結局、「ニック」と表記せずに「ニコラス・ケイジ 中へ」として、次のセリフで登場する映画『ナショナル・トレジャー』ネタを優先しましたね。……ただ、字幕スペースには余裕がありましたから、あそこは……「ニック(ニコラス)ケイジ、先導を」という字幕でも良かったと思うのですが。 (May 7, 2023 01:07:52 AM)
この後のナイトの(多分?)下手な「シャレ」も字幕泣かせ!
>ナイトのチーズのギャグ「no gouda」はよくわかりませんでした。 難しく考えるとわからなくなるような気がします。 「ゴーダ」チーズ=クセがなくまろやか……という意味まで考えることなく、チーズなら何でもいい「ダジャレ」合戦シナリオだった可能性すらありますから。 議員がチーズを隠したがっている理由は…… ナイト「……ロビー活動~キックバック=リベートが関係するから……」 局長「つまり、このチーズは臭う。」……と局長がオチを言っているのに…… ナイト「"no gouda."と言おうとしたんだけど。」……と「オチ」をかぶせたので、皆から非難されたわけですね。 「ゴーダ」チーズのようにマイルドな味わいのはずがない……という意味と、“no good”の意味……がシャレなので……日本語字幕にしにくくてカットする……代わりに「うさん臭い」とナイトが言った形で訳した苦肉の策。 さらに加えて…… ナイト「P-117倉庫の警備を強化しておく。」「Cheddar safe than sorry.」 「チェダー」チーズがどうした!?というセリフですが、「Better safe than sorry.」と重ねた小学生並みの駄洒落……字幕担当者は破れかぶれで「私、イチズだから。」 もう、字幕でも英文を使って…… 1行目=「シャレ=チェダーsafe than sorry.」 2行目=「本来=Better safe than sorry.=安全第一」 と書きたい気分でしょうね。 ジミーが説明していた「乳糖不耐」~乳製品でお腹ゴロゴロ……北欧では1割前後、アメリカ白人は1~2割……に対して、僕らアジア系は9割以上、ネイティヴ・アメリカンも8割以上……だそうです。 で、交際を通じてナイトの影響を受けた??ジミーは…… 「His body gave out completely and there was nothing he could fondue.」 字幕は上出来で……「彼の体は、フォンドゥしようもなかった」。=「チーズ・フォンデュ」と「do」を掛けたシャレ……駄洒落すぎてアメリカでも笑ってないのでは?? その後の、パーカーやニックの「単語遊び」は割愛します。 >ボランティア精神に基づくPTOという組織…… 日本もPTA活動の形骸化も目立ち……他方で任意加盟であることも知られてきて加入率も下がり、全国組織も揺れています。PTOの試行錯誤は面白いですが……今回も描かれた苦労する「資金集め」は、PTAでもPTOでも見直した方が良いような……教育費はPやTに負担をかけるより、税金をしっかり割り振るのがホントの先進国だろうとお思います。 (May 7, 2023 01:10:41 AM)
中身の薄さをチーズのダジャレで繋いだみたいなエピソードだったのでしょうね。
チーズの件はやはり「no good」で良かったのかな。 韻が違うからどうかなと思ったのですが、ちなみに地名の「gouda」は「ハウダ」と発音するらしい。 脚本家が自分の知性をひけらかすみたいなセリフを入れるのは、ありがちです。 バフィの中でモンティ・パイソンネタなどは、スパイクに絡めてあったような気がします。 これもまた、ジョスがオタク的に入れたとしても不思議ではないです。 そもそも過酷な尋問という意味合いで使われることはあるかもしれないですね。 その手の会話が楽しめたら、このエピソードももう少し楽しめたかも知れません。 最後のハンスの逮捕は、政府の貯蔵庫に侵入したということなので、容疑として積み重なるでしょうね。 (May 7, 2023 09:22:00 AM) |