カテゴリ:外国史
フランス革命(13-2) 先ほど記した女たちのうち、ルイズ・シャプリーは、仕事場の前で、サン・タントワーヌ通りを市役所方面に向う女達に声をかけられ、何か楽しそうにも思える呼びかけに応じないわけにいかないように感じて、群に加わりました。また花売り娘のフランソワーズ・ロランは花売りに出ようとして、「一緒にいらっしゃい。ヴェルサイユへ行くのよ」と声をかけられ、一緒に行く事にし、それからは会う女性、会う女性に皆と一緒に声をかけて誘っています。女達の集団が6時に集まり始め、各区をオルグすることで大集団に成長し、最初の集合からおよそ5時間後にヴェルサイユへ向ったことが、ここから確認できます。 さて、国民議会議長のムーニエは、10人の女達と共に宮殿に入り、控えの間に到着します。そこから先ず議員達だけが国王の下に案内され、女達は控えの間で待たされます。広くゆったりした部屋は、ふかふかした素適な絨毯や調度品、そして絵画や鏡などで、庶民階級の女達を圧倒します。女達の1人ヴィクトワール・サクルーは、あまりの興奮と空腹から貧血を起こして気を失います。彼女が運び出された後、国王の使者が現れ、国王が残り9人の女達の内、4名のみに会われる旨が告げられます。戸口近くにいた、ルイゾン・シャプリー、フランソワーズ・ロラン、ローズ・バレの3人と他の1人が選ばれました。このもう1人はついに名前が確認できないので、その日の夜と翌朝の混乱の中で命を落していたのかも知れません。存命であれば調書が残り、氏名や行進に加わった事情などは、明らかになっただろうと思えるからです。 さて、4人の女達は極度の緊張と、その場の雰囲気に圧倒されながら、ようやくにして控えの間を通り抜け、儀式の間を通って、国王の待つ大広間へ向います。フランソワーズ・ロランは緊張のあまり躓いてしまい、3人より遅れます。国王から、訪ねてきた理由を問われたルイズ・シャプリーは、答えようとして、極度の緊張から気を失ってしまいます。正気に返ったルイズは、国王から「王妃と共に、パリに行く」と告げられ、さらに食糧放出の約束も獲得します。感激した彼女は、仲間と共に中庭に戻ります。 彼女等代表団員達が、「明日には、パンが貰える。国王がそう約束してくれた。」と、いくら説明しても、皆は信じてくれません。興奮した女達は、この説明に満足せず、彼女等を裏切り者として、処刑しようとさえ、言い出します。さすがにこれは、すぐに別のグループのとりなしで、実行には移されなかったのでが、パリからやってきた民衆は宮殿の周辺で、篝り火を焚いて野宿します。こうした女達や国民衛兵と共にやってきた男達は、翌朝早い時間に宮殿に乱入し、そこで事件が起こることになります。 続く
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最終更新日
2007.07.26 09:48:50
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