カテゴリ:国際政治
クロニクル マーストリヒト条約締結
1991(平成3)年12月11日 この日、欧州共同体(EC)首脳会議な。マーストリヒト条約を締結し、欧州連合(EU)を創設し、99年までに通貨統合を実現する旨の合意に達しました。 やがて、この共通通貨にはユーロの名がつけられ、市民権を得ていくのですが、マーストリヒトの合意が発表された当時にあっては、一定の政治統合までは進むであろうが、共通通貨の導入までは難しいのではないかとの、空気が一般的でした。私もそう思っていました。 通貨の発行権は、主権国家にとっての大きな権利であり、かつ経済運営の重要な調節手段です。こんな大事な権利を、大陸国家のフランスやドイツが唯々諾々と手放すはずがないと、考えたからでした。 しかし、ドルの1人勝ちは、許せない。ではどうするかとなった時に、ドルに対抗し得る通貨を創るしかない。それには、まず国家同士が、過去の歴史的経緯を踏まえながら、連携を深めるしかないと、19世紀のナポレオン戦争以来、犬猿の仲だったドイツとフランスが手を組んで、独仏連携を中軸にして、通貨統合への道を進んでいったのです。 米国の覇権を阻止するためには、ドルよりも強く、信頼される通貨を作成し得るか、否かにかかっているという、独仏の執念が感じ取れる出来事でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.11 02:39:49
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