カテゴリ:国際経済
ユーロの憂鬱 (37)
昨日記したように、EU加盟諸国の金融機関の連鎖は、闇に包まれている部分も多いのですが、とりあえず公表されている部分、並びに公表はされていないけれども周知されている部分を、ここに記してみますと、次のようになります。 バルト3国、エストニア、ラトヴィア、リトワニアの3国に対する融資では、スウェーデンの金融機関が突出しています。東欧のうち、西欧世界と接するチェコ、スロバキア、ルーマニア、ハンガリー等に関しては、オーストリアの融資が目立っています。そして、そのオーストリアの金融機関には、ドイツとイタリアの銀行が大量に貸し込んでいます。 そして、ポーランドに関しては、ドイツの銀行が最大の貸し手となっています。こうした点は、BISが発表する「国際与信統計」からも、確認することができます。同じように、アイルランドとギリシアについては、イギリスの与信が図抜けていますし、スペインとポルトガルは、いくつもの国から融資を受けていますが、地理的に近いフランスがの融資が最大となっています。 そして、ドイツ、フランス、イギリス、オランダ、イタリア、スウェーデンといった国々の金融機関同士の繋がりが、どうなっているかという点になると、複雑すぎて詳細は分らないというのが、正直なところになるのです。 ですから、EU加盟国のどこかで、国家が支えきれずに大手金融機関のデフォルトが発生すれば、それが原因で各国の金融機関が連鎖的に倒産する、破綻の連鎖が起きかねないのです。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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