カテゴリ:スポーツと政治
クロニクル 政府モスクワ五輪不参加を決定
1980(昭和55)年4月25日 あれから37年ですか。この日、日本政府は8月に開かれるモスクワ五輪への不参加を正式に決定しました。夕刻大平内閣の伊東正義官房長官は、JOC(日本オリンピック委員会)の柴田勝治委員長を国会内に呼び、この方針を伝えました。 モスクワ五輪を巡っては、前年12月末のソ連軍のアフガニスタン侵攻によって、雲行きが怪しくなり、米国のカーター大統領が1月に早々とボイコットを提唱し、米国オリンピック委員会もこの方針に同調し、4月12日に不参加を決定していました。 このため、政府はJOCに不参加を働きかけていたのです。この動きを察知した選手・コーチ等は、21日に「五輪参加アピール」を発表して世論に働きかけました。また政府の通告を受けたJOCの会議では、自費参加を訴える委員もありましたが、体協への補助金をカットするなどの,政府の脅しに屈し、5月26日にJOCも正式に不参加を決定しました。 政治の介入によって、スポーツの祭典が汚された一幕でした。当時全盛期にあったマラソンの瀬古選手をはじめ、4年に一度しかないオリンピックに照準を合わせ、ひたむきに練習を続けてきた選手たちが、気の毒でなりませんでした。 自国の価値観を平然と他国に押し付けることを辞さず、自国の尺度で他国を断罪しようとする政治家の態度は、気持ちの良いものではありませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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