カテゴリ:社会風俗
クロニクル 日本で最初のキスシーン登場
1946(昭和21)年5月23日 73年前のことです。8/15からまだ1年も経たない時でしたが、戦争中抑圧されていた歌謡界、演劇界、映画界、そして学界や文壇などは、解き放たれた自由の息吹に、百花繚乱の賑わいを見せ始めていました。 「赤いリンゴに唇寄せて…」と並木路子さんの『リンゴの歌』が、街頭に向けたラジオから明るい歌声を響かせ始めた頃でしょうか。この日、佐々木康監督作品『はたちの青春』が封切られました。 そうなんです。この作品で大阪志郎さんと幾野道子さんのお2人によって、日本映画で初めてのキスシーンが銀幕に登場したのです。時間にして僅か5秒ほど、現在から見れば、頬をよせてそうみせかけているだけのようにも見える微妙なシーンだったそうですが、当時としてはちょっとしたセンセーショナルを呼び、各地の上映館は大入り満員の盛況となったそうです。上映した映画会社の思惑は、大当たりだったと言えましょう。 ところが、あまりの反響に驚いたからなのでしょうか。GHQは、この映画の封切り後、映画でのキスシーンを禁止する旨の通達を出します。そのため、日本映画2作目のキスシーンは、今井正監督の『また会う日まで』(1950年封切り)で、岡田英次さんと久我美子さんが演じた、ガラス越しのキスシーンまでお預けになりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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