カテゴリ:国際政治
トランプの落日 その4
6日のトランプの行動と発言は、トランプファミリーにとっても、大きな痛手となりました。それは、トラン一家のファミリー企業群、トランプ・オーガニゼーションと永年取引関係にあった、日本流にいえば主取引銀行出会ったドイツ銀行が、トランプファミリーとの取引停止を打ち出したのです。 ドイツ銀行は、トランプ・オーガニゼーションに3億ドル以上を融資しており、融資期限は2023年と24年に 設定されているため、新規融資は全てストップ、実行済みの融資は、期限ごとに延長を認めず融資を回収すると発表したのです。 国内では、トランプと彼のファミリーに対する最大の支援者であった大富豪のアデルソン氏が1月12日に、87歳で亡くなっています。(彼はラスベガス・サンズの経営者であり、日本のIRにも手をあげていたのですが、日本政府というより、財務省主税局の出す条件では採算に合わないからと撤退してしまいました。) 永年の友人にして、最大の支援者からの支援も得られなくなったのです。まさに泣きっ面に蜂でした。 まだあります。全米プロゴルフ協会は、1月10日、2022年の全米プロ選手権について、会場に予定されていたニュージャージー州のトランプ・ナショナル・ゴルフ・クラブでの開催を取りやめると発表したのです。さらに電子商取引ソフトウエアを手掛けるカナダのショップファイは、トランプファミリー関連のネット店舗を閉鎖してしまい、トランプ陣営のウェブサイト向け決済サービスを提供していたストライブもトランプ関連組織との取引中止を発表したのです。 トランプファミリーの資金繰りの困難を見越した点もあるのでしょうが、米国の建国以来の国是を冒涜し、踏みにじろうとした暴徒を仲間扱いし、暴徒に氾濫をけしかけたトランプの行動への嫌悪が、経済界のトランプ並びに彼のファミリーに対する絶縁として表面化したのです。 この状況に、トランプは、バイデン政権誕生後の自身や家族の逮捕を見越して、自分や家族に対する将来の有罪宣告に対する、事前恩赦を画策したようですが、さすがに側近に諭され、この手は諦めたようです。何故素直に諦めたか?ですか。それは音写すれば、自分や家族が、実は有罪であることを認めてしまうことになるからです。側近はこのことを指摘して、「恩赦したら、あなたは自分が有罪であることを、支持者に宣言することになるんですよ」と迫ったそうです。 金融機関にソッポを向かれたトランプとトランプ一家、資金調達が出来なければ、即あちこちで訴えられ、そうした裁判に忙殺されるのでしょうが、前途は暗そうです。出来ることは、ゴルフ場やトランプタワーなどの資産の売却しかないのですが、それですべての債務が返済できるわけではなさそうです。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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