カテゴリ:国際政治
バイデン政権の困難 その27
イラク各地で、米軍施設への過激派の攻撃が続いています。 2月15日、イラク北部のクルド人自治区エルビルの空港施設等にロケット弾が撃ち込まれ、米軍兵士1名を含む10名ほどの死傷者が出ました。 この攻撃は、バイデン政権の反応を試している可能性もあり、バイデン政権の反応が明らかになるまで、繰り返される可能性がありました。そうした中バイデン政権は、イラク政府の調査結果を待って行動すると述べて、報復攻撃は急がないと表明して、しばし静観を決め込みました。 バイデン政権の反応がない中、20日にはイラク中部サラハディン県バラド空軍基地に、4発のロケット弾が撃ち込まれ、基地内でF-16戦闘機の維持管理業務を請け負う米企業の南アフリカ人契約社員が負傷したことが伝えられました。同基地は首都バクダッドの北方64kmの位置にあり、イラク軍の保有するF-16戦闘機の主力基地です。 そのため同基地は、これまでもシーア派民兵組織やイスラム国による飛び道具を使った攻撃の標的とされてきました。特に今回の攻撃の直前には、戦闘機の支援を受けたイラク治安部隊がIS(イスラム国)の拠点を攻撃していたため、ISの報復攻撃の可能性もありました。バラドの空軍基地には、今は米軍部隊の駐屯はなく、米軍はいませんから、シーア派民兵組織による攻撃ではない可能性が高いように思えます。 さらに22日には、首都バクダッドのインターナショナル・ゾーンに2発のロケット弾が着弾しました。幸い負傷者は出なかったのですが、この地域には米大使館もあるため、大使館を狙った攻撃だった可能性もあり得ます。 この間、イランのシーア派民兵組織の一つカタイブ・ヒズボラは、15日のエルビル攻撃について自分たち ではない。」とはっきりと否定しました。同時に実行犯について、「攻撃を行ったのは、米国とイランの関係改善に反対してるグループだ」と述べています。「カダイブ・ヒズボラはイランとアメリカ間の緊張緩和を支持している。」と述べています。 損なやり取りの中、米国はイラクのカダイブ・ヒズボラの基地を爆撃しました。詳細はまだ分かりませんが、今のところカダイブ・ヒズボラからは、何のコメントもないところから、被害は軽微だった可能性が高いようです。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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