ミャンマーはどうなる その10
中国は、ミャンマーの混乱を恐れています。中国版シルクロード計画の一帯一路計画は、ミャンマーを通ります。ここが混乱し内戦状態になれば、当然道路は寸断され遣いものにならなくなります。さらに、中国企業は政府の支援を得て、ミャンマーに進出しており、中国企業の社員であるミャンマー人が反政府デモに参加して、工場の開店休業状態が長引くと経営そのものが成り立たなくなる危険も出てくるからです。
そんなわけで王毅外相を派遣して、必死の調停工作を展開しているのです。それに比べ日本の動きは鈍いです。菅総理は外交経験の乏しい内向きの政治家ですから、彼がミャンマーに飛んで軍部とスーチー女史やNLDとの間を調停することはできないでしょうが、自民党の外相経験者や外交通のメンバーを首相特使として派遣したり、ミャンマーに知己の多い民間人に仲裁を依頼したり、丸山大使とタッグを組んで両者を説得することなどが考えられます。
明日15日に、菅首相は米国訪問に飛び立ちますが、バイデン大統領からもミャンマー情勢の好転に向けての日本の積極的な貢献を約束させられることもありうる話です。少なくとも、これ以上ミャンマー国民の血を流さないで済むよう、1日も早く調停作業をまとめ上げることが期待されているのです。
軍にはデモ隊の力づくでの封じ込めをやめるよう説得し、スーチー女史とNLDには、民衆を守るために、軍部と話し合うテーブルに着くよう、説得することが期待されているのです。 続く
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