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カテゴリ:東日本大震災
先程まで、神戸の津久井進弁護士を講師とする研修会、「東日本大震災後の災害法制の変遷」に出席していました。
今は、帰りの新幹線なのですが、本当に充実した濃密な内容で、出席して良かったと心から思えて幸せです。 頭の中に大きなタンスと引き出しが沢山できた感覚があって、大満足です。 このタンスと引き出しを本当に自分のものにするためには、自分で勉強することが欠かせないのですが、それでも、イチから自分でタンスを作ることを考えると気が遠くなるので、津久井先生の作って下さったタンスをモデルにできるということに、ただただありがとうございます、の一言です。 津久井先生のお言葉をお借りすれば、 1,体系がバラバラ 2,場当たりで後追い 3,私権が意識されていない という全体像把握が非常に困難な災害法制を、 1,経緯を把握する 2,災害サイクルに合わせる 3,目的ごとに整理する という視点で整理して下さって、今はどの視点でどの段階のお話をされているのか確認しながら講義を受けられて本当に助かりました。 また、何と言っても、津久井先生の災害法制に対する「かくあるべき」という理想と視点がぶれないので、解説して下さる法律の評価すべき点、問題点が津久井先生視点であぶり出されるのが、熱烈な津久井先生ファンとしてたまらなかったですね。 「かくあるべき」の中身は、とても豊かで深い世界なのですが、敢えて言葉にすれば、災害法制は、被災者のためにある、人間復興のためにある、ということになりましょうか。 詳しくは、津久井先生が講義の中でご紹介された、関西学院災害復興制度研究所が策定された災害復興基本法案、こんな法律があれば良いのに!と感銘を受けます。ぜひご一読を。 http://www.fukkou.net/publications/bulletin/files/book_009_chapter5.pdf 災害法制が被災者のためにあるべきなのは当然でしょ、と思われるかもしれませんが、そうでもないのですよ。法律は様々な利害が複雑に絡んでできているので、必ずしも人々の幸せのために使い勝手良くできているわけではないのですね。 あと技術的に、なるほど、と思ったのは、法律の条文すべてを読めなくても第1条だけは読みましょう、というご指導。確かに第1条には、その法律の目的が書いてありますから、誰のために何のために作られた法律であるかが分かります。そうか、1条と目次だけでも、レジュメを振り返りながら、とりあえず読もう、と思った私です。 ただひとつ後悔しているのは、今、事務所で受け入れている法律家の卵さんである司法修習生Tさんをお誘いすれば良かった!ということ。 私の法律相談に100件立ち会うより、この研修会に参加した方が余程有益だし、法律家の役割を考える素晴らしいきっかけになったのに、と非常に後悔しています。またの機会に是非! 津久井先生、大変にお忙しい中、笑顔を絶やさず、明るく明晰で有益な講義をして頂き、本当にありがとうございました!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.01.22 21:34:06
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