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カテゴリ:東日本大震災
先日、早稲田大学東日本大震災復興支援法務プロジェクト/震災復興支援クリニック主催の、「浪江町現地聞き取り調査」に参加させて頂きました。同調査は、本来2泊3日の行程なのですが、私は、後半の1泊2日のみの参加です。本当に短い時間でしたが、避難指示解除後初めて入る浪江の町並みを、帰還者の方々の想いを、目に心に焼き付けたい、自分の全感覚で真正面から向き合いたいという気持ちで臨みました。
本企画の責任者である須網隆夫先生(早稲田大学法務研究科教授)はじめ、現役生、修了生入り交じる総勢16名の法科大学院生の皆様、現地福島から合流してくれた渡辺淑彦弁護士、平岡路子弁護士、松尾政治弁護士、三村茂太弁護士には、本音で語り合い、涙あり、笑いありの大変貴重な時間を過ごさせて頂くと共に、本当に何から何までお世話になりました。心から御礼申し上げます。 まだ鮮やかな記憶が残っているうちに、今回の調査で感じたことを思いつくままに書き留めておきます。 初日は、調査の主目的である帰還された方々へのインタビュー調査に参加しました。 聞き取り調査は、2泊3日、全15軒の帰還者のご自宅を、学生数人ずつのグループに分かれて訪問させて頂きお話しをお伺いするという方法で行われ、私は、うち2軒の方のご自宅にお伺いしました。 1軒目では、70代後半のお一人暮らしの男性にお会いしました。 避難指示解除等が解除される前の2013年、浪江ではなく小高に入った時に、余りの音のなさに、強いショックを受けて帰ってきた私は、人の気配に、ただただほっとし、心から安堵しました。 https://plaza.rakuten.co.jp/yyy0801/diary/201304260000/ 海も山も近くて、夏は涼しく冬は雪が降らない、本当に住みやすいでしょう。だから、40年以上前に定住したんだけど、まさかの事故でこんなことになってしまった。うんと賑やかな家だったんだけどね。寂しいけど、でも、ね、仕方ない。 やっぱりさ、若い人が来るためには、仕事とか学校がないとどうしようもないじゃんね。一度避難しちゃうと、子ども達は学校通うし、親も仕事見つけるからね、仕方ないよね。一度大変な思いして慣れてきた学校、見つけた仕事、変えたくないのが普通だと思うよ。生活基盤が向こうじゃ仕方ない。 孫?子ども?いや、全然顔見せないよ。放射能嫌いだって。仕方ないさね。 日中は、いろんな体操とか囲碁と将棋の会とかに出掛けて、なるべく身体動かすようにしている。何も悪いところないからね、今は、医者に行かなくても平気だよ。 野菜や果物は、原町に出掛けて買いに行っているね。車で30分。近くにスーパーがあれば良いけど、この人数じゃできっこないでしょ。やっぱり採算とれなきゃ仕方ないわけで。 二本松ではマンションにいたから、窮屈で狭くて辛かった。戻れて良かったか?うーん、まあ、せいせいはするけどね。故郷だしね、ここが故郷だからさ。良かった・・・うん、まあ、戻って良かったのかな。そう簡単に言えないけど、ねえ。 「仕方ない」と何度も何度も繰り返しながら、微笑む笑顔が、複雑で、でも、すべてを受け止めていらっしゃるような強さもあって、とても暖かでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.09.11 16:07:57
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