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弁護士YA日記

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2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2020.02.14
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カテゴリ:留学
アメリカの司法制度につき、少しずつ学びが深まっている今日この頃なのですが、一方で、本当に自分が疑問に思っていることは、実は、本には書いていなくて、教授や実務法曹、ローの友人たちとやりとりしながら、自分の頭で答えを探していくしかないということも分かってきました。何が引っかかっているのか、もやもやしているのかを整理して言葉にするのも大変ですし、その問いを解決するのはもっと大変です。でも、そういう過程すべてが、学ぶということだと思います。

さて、日本でも、現政権が、検事総長の人事に事実上介入していることが大問題になっていますが、ここアメリカでは、司法省(日本の法務省と検察庁を併せたようなイメージでしょうか)が、トランプ氏の意向を忖度したとしか思えないやり方で現場の検察官が下した量刑判断に介入し、担当検察官4人が抗議して辞任するという事態が、現在進行中で、たとえばNYタイムズは、昨日から今日にかけて何面も使って、この事件を詳報しています。

新聞によれば、時系列としては下記の通りです(私の理解が間違っている可能性はありますが)。

・司法省長官のBarr氏が、この捜査を統括し、ストーン氏を起訴するLiu氏を何やかやと工作して捜査から外し、Barr氏と親しいShea氏を現場に送り込んだ(2/3)
・Shea氏は、Barr長官の意図を汲んで、現場の検察官4人に、検察官には裁量があるのだから量刑ガイドラインに従う必要はない、もっと量刑を下げるべきだと意見したが、4人のうち3人が、そんなことをするくらいならこのケースから手を引くと抗議し、現場の判断を尊重せざるを得なかった。その結果、禁固7年から9年が求刑された(2/10)
・トランプ氏が求刑に対し、怒りのツイートを発信し始めた。(私、今回、初めて彼のツイッターのアカウントをチェックしたんですけど、かなり読むに堪えない内容です・・・)"This is a horrible and very unfair situation."(2/11朝)
・Shea氏は、禁固は相当だが、7~9年は重すぎるという意見を裁判所に提出したが、現場の検察官4人は(36歳から42歳の働き盛りで経歴も詳報されていますが、さすが連邦地検、エリート揃いです)は、誰一人、上記意見を事前に相談されておらず、上記意見にも4人の署名はない。そして、次々この事件の担当から手を引くことを表明した(うち一人は、連邦検察庁も辞任するとのことです)(2/11午後)
・一方で、トランプ大統領は、この事件から外されたLiu氏が、その後、TreasuryPost(財務省での高官ポストのようです)を得るための手続きが進んでいたにもかかわらず、突然、指名を撤回した。報復人事が強く疑われている(2/12)

・・・という状況で一体どうなるんでしょうね。この先、という感じです。
それにしても、トランプ大統領、移民の渡航を突如禁止した大統領命令に対するInjunction(差し止め命令)が授業の教材になったり、月曜日には、Impeachmentにつき、刑訴法の教授らによる解説を兼ねたパネルディスカッションが予定されてて、友人たちと絶対に聞きたいね!と言い合っていたりと、ロースクールに、常時大量の素材を提供して下さっています(苦笑)。
日本のロースクールでも旬の素材扱っているんですかね?俄然、法律の勉強が面白くなると思いますが。

日本とアメリカ、権力を振りかざす為政者に司法がどのように歯止めをかけるか、同時並行で起きているだけに興味深いです。





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Last updated  2020.02.14 08:38:04



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