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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
2022.11.04
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カテゴリ:弁護士業務
先日、台風15号対応の相談会に、今年の司法試験合格者Sさん(ひまわり基金法律事務所に強い関心をお持ちというご縁でお預かりしました)にも参加頂いたところ、下記感想を頂きました。

私の相談だけではなく、他の弁護士の相談も見学されていたので、その結果の感想ということだと思います。Sさんが本当に良く観察され肌で染みこむように吸収した体験を、ご自身で考え抜いて言葉にされた真摯な過程が伝わってくるような素敵な文章だと思いましたので、Sさんの許可を得て、ご紹介させて頂きます。

なお、下記文章を静岡県弁護士会の台風15号相談担当者MLに流したところ、「強烈に胸を打たれた」、「とてもうれしく頼もしく読んだ」等の感想が寄せられ、本物の言葉は人にダイレクトに刺さるのだなと思いました。Sさん、今後ともずっと応援していますね!

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この度はお忙しく、慌ただしい中、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

個別に感じたことや、考えたことは本当にたくさんあるのですが、全体を通じて考えたのは、弁護士が何をもって困難におかれている方々や社会に貢献できるのかということでした。

弁護士は法的知識を活かして社会に貢献するということは確実にいえると思います。そして、このような貢献は、比較的周囲にも弁護士の必要性をわかってもらいやすいと思います。

それに加えて私は、弁護士は、仮に個別具体的な法的知識やリーガルマインドの部分を除いても人の役に立てる能力を備えているとも思っています。例えば、文章を読む、先を見通す、計画を立てる、言葉で伝える、根気強く物事に取り組む、といったことも全て誰かのために還元することができるはずです。ただ、こうした部分での貢献は、常に別に弁護士でなくてもよいのではという批判に直面し、弁護士の必要性をわかってもらいにくいように思います。


しかし、災害のような切迫した場面(それだけに限らないようにも思います)で必要とされるのは後者の意味での貢献だったりするのではないかと相談を拝見していて思いました。相談にいらっしゃる方は、法律問題で悩まれているというよりは、より生活に密着した領域で、それぞれ問題に直面しておられました。心身をすり減らつつ今は何とかやれているけれども今後の道筋をどう描いたら良いのか悩まれている方、次の一歩ですらどう踏み出したらよいのか分からず躊躇っておられる方など、同じような被害を受けられていても、それぞれ生活で抱えておられる困難は様々だと思いました。自ずからそれに対するアドバイスも「今は自治体の支援策が固まっていないから焦らずもう少し辛抱して今後の方針を決めていきましょう。そのときまた相談にいらしてください」、「まずは業者に見積もりを出してもらうところから始めましょう」といったものになっていきます。このようにアドバイス自体は、必ずしも弁護士の法的知識が直接発揮されるものではないのかもしれません。それでも、相談に来られた方が、その方の精神状態や物事を進めていく力に応じて、次に進むためのヒントを1つ2つ、多い方はそれ以上手にして生活の場に持ち帰ることの意義を相談を通じて強く感じました。こういう意義は定量化が難しくもどかしいのですが。


こうしたアドバイスは、必ずしも弁護士でなければできない性質のものではない一方、弁護士だからこそここまで踏み込むことができている気も一方ではして、弁護士は、法律の外側にも、困っている方々や社会に貢献できる「何か」を持っているのではないかと思った次第です。


今後もさらに多くの方々が、災害分野の知識の有無に関わらず自分に備わる「何か」を困っている方々のために還元するという素直な動機でこうした活動に心を寄せ、こうした活動の輪に加わっていかれることを願っております。


他方で、前日のシンポジウム、過去の勉強会の動画なども拝見して、専門家たる「弁護士」として研鑽を積むことの大切さも改めて学びました。相談会の土台を築かれている永野先生のご活躍を例にあげるまでもなく、卓越した「弁護士」の能力が、「弁護士」の枠とらわれない姿勢によって社会に還元されたとき、弁護士が社会において親しみやすく、頼られる存在として認識されていくのでしょう。そして、今回見学させていただいた「なんでも」相談会は、まさにそういう弁護士の実践の場になっているのだと思いました。


私も引き続きこうした問題に関心を寄せていきたいと思います。災害時に限らず困っている方々のことを自分ごととして捉えられる想像力と、自分のわずかな能力と時間を少しであってもそこに割ける行動力とを、将来どの領域に身をおいてももっていきたいと思いました。


貴重な経験をさせていただきありがとうございました。





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Last updated  2022.11.04 13:15:04
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